7月31日、川崎市幸区の川崎市産業振興会館で、第66回「かわさき起業家オーディション ビジネス・アイデアシーズ市場」(http://www.kawasaki-net.ne.jp/bizidea/)の最終選考会が開催された。
同オーディションは、創業および新分野進出への登竜門として、2001年から年間6回のペースで開催されている。 「いつでも、どこでも、誰でも応募できるオーディション」をモットーに、広く全国から参加者を募っているのが特徴。
優れたビジネスアイデアに対しては、販路拡大・資金調達の支援、ベンチャーキャピタリストやビジネスパートナーとの出会いの場を提供するなどのサポートが行われる。
今回は21件のビジネスプランの応募があり、書類および面接審査を通過した7人が、同日、各15分間のプレゼンを行った。
その結果、エコアース(神奈川県藤沢市)、盤水社(石川県金沢市)、ケイ・クリニック(東京都千代田区)の3社が「かわさき起業家優秀賞」を受賞。
エコアースは、2011年の賃貸住宅居住安定法施行にともなう家賃滞納者の明け渡し業務のサポートから、 インターネットのリサイクル市場等を通じた回収動産物の販売までをワンストップで行うビジネスモデルを発表。
審査委員長を努めた柴田嘉郎氏(同財団プロジェクトマネージャー)は、同社のビジネスモデルを「新規性、将来性、社会性が高く、成長性と収益性が見込める優秀なプラン」と評価した。
また盤水社の中山貴之社長は、同社が石川県内で中高生向けに無料配布しているキャリア情報誌「さくらノート」についてプレゼン。
地元企業で働く先輩たちの姿や思いをありのままに伝え、子供たちの職業に対する関心を早期から高める必要性を訴えた。
プレゼン後の質疑応答で、企業の賛助会費および広告費で成り立つ同ビジネスモデルについて、審査員が「企業会員が離脱することはないか」と質問。
これに対して中山氏は「当初、そういう心配もあったが、今では企業会員の7割にリピーターになっていただいている。
中小企業における人材の枯渇感が深刻であることに加え、従業員が媒体に取り上げられることで社内のモチベーションが向上していることが背景にあるのではないか」と述べた。
さらに、ケイ・クリニックの瀧澤清理事長は、独自開発の小型センサーで、心拍のゆらぎと高精度な心電図を取得し、 そのデータをインターネットでサーバーに送信して自動解析を行う遠隔健康管理支援システムを紹介。
審査委員長の柴田氏は、「多人数の長時間にわたる心電図記録を解析し、各患者のストレスの型や生活習慣病の有無などの健康状態を遠隔で診断できることから、 社会性、新規性、将来性が高く評価された」と同ビジネスプランを総評。
なお、介護現場の経験を活かし、シューズを開いて足を載せるだけで簡単に履くことができる『あっとマイシューズ』を開発したビタミン愛の伊藤紀美氏が、来場者の投票による「会場応援賞」に輝いた。
今回の最終選考会における主催者賞の受賞者は次の通り。
△かわさき起業家大賞(川崎市長賞)/該当者なし
△かわさき起業家優秀賞/エコアース 林葉之氏、盤水社 中山貴之氏、ケイ・クリニック 瀧澤清氏
△かわさき起業家賞/アースクリーン 佐藤一芳氏、フィールイメージ 小林健一氏
△かわさきビジネス・アイデアシーズ賞/ビタミン愛 伊藤紀美氏、小池吉昭氏
「フジサンケイビジネスアイ」