「地域を守り、地域の方々を幸せにするための社会貢献企業」を目指し、取引先や地域住民へのサービスの充実を図っている城南信用金庫。昨年6月にさまざまな相談をワンストップで受け付ける「城南なんでも相談プラザ」を開設、また、高齢者向けの総合サポートサービスも強化している。地域中小企業の販路拡大を目的に始めた「よい仕事おこしフェア」も今年で5回目を迎え全国レベルへと広がっている。守田正夫理事長に地域金融機関としての役割や今後の方向性などを聞いた。
――昨年6月に「城南なんでも相談プラザ」を開設しました。その狙いは
守田 地域が元気になってもらうためです。本店の3階にスペースを設け、取引先や地域住民のお困り事やお悩み事の相談をワンストップで受けられる体制にしました。総勢30人で、当金庫の職員だけでなく弁護士や税理士などさまざまな専門家もいます。相談プラザには、メーカーを退職した人たちで構成している「ものづくりコンシェルジュ」もいます。相談内容の約4割が販路拡大で、6割は相続や事業承継のご相談です。例えば、事業者であれば販路拡大や技術改良などについて、ものづくりコンシェルジュがアドバイスしています。開設から今年1月末までに約300件のご相談がありました。
――高齢者サポートの「いつでも安心サポート」とは
守田 東京の品川区内に営業店をもつ5つの信用金庫が設立した「一般社団法人しんきん成年後見人サポート」で成年後見人事業を展開していますが、高齢化社会の中で、これまで提供していたサービスに新たなものを加え、昨年11月に1つのパッケージとしてまとめた独自サービスです。財産管理や遺言・相続、資産承継など12項目あります。サポート内容は今後、さらに増える可能性もあります。
――「よい仕事おこしフェア」は今年で5回目になります。今年の特徴は
守田 当初は東日本大震災後の開催ということで、東北復興支援という意味合いも強く東北に本店を置く27金庫全てが参加していましたが、近年は地方創生が重視されていることからも全国の信用金庫に参加をご案内しています。昨年は50の信用金庫にブースを出展していただき、それ以外にも地方の信用金庫の推薦による特産品をワゴンなどで販売し、ブースの出店と特産品販売であわせると121の信用金庫に参加していただきました。ブースの出店で見ると、昨年は50信用金庫で25都道府県になりますが、今年は5年目の節目ということもあり、全国の都道府県の信用金庫に参加していただきたいと考えています。
――「メンターバンク」を標榜していますね
守田 メンター(助言者)として、地域の企業を応援し元気になっていただきたいという思いでやっています。今月、京浜地区のプラスチック成型加工業者約50社を対象に交流会を実施しましたが、実は組合はあっても同業者同士による交流会というのはないそうなので大変喜んでもらえました。同業者の交流会は、昨年のプレス加工・板金加工に次いで2回目ですが、もっと続けていきたいと考えています。このほかにも、食品や雑貨・ギフトのビジネス商談会なども開催しています。特に、「全国!うまいもん発掘商談会」と銘打った食品商談会は地域企業と大手百貨店のバイヤーとの成約もあり、今後、さらに強化していきたいと考えています。
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