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マネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

第46回

現場マネジャーのマネジメント方法(ピープル・マネジメント)(中編)

「働く人の特性、それはつまりは人間心理だと思いますが、それを上手く利用しながら働いてもらうというアプローチ、よく分かりました。」

「そうだろう。最初は『人々を操る』なんて言っていたけれど、そうではないだろう。」

「それについても、了解です。」

「前回は働く人の特性として、個人の特性を考えるアプローチを説明した。今回は集団としての人の特性を考えるアプローチについて説明しよう。」

「なんですか?その『集団としての人の特性を考えるアプローチ』とは。」

「だから、それを今から説明すると言っているんだよ。」

「はいはい。黙って聞いておれという訳ですね。」


カルチャー・コントロールとは

「カルチャー・コントロールとは、働く人の特性や人間心理を利用して上手く働いてもらうというアプローチのうち、複数の人々が集まった時に生じる特性や人間心理を活用しようとするものだ。」

「何か、難しい言葉で言い換えられただけのような気がしますね。」

「例えば一人だと『面倒臭いなあ、やりたくないなあ』と思うことでも、チームだと『そんなことは言っていられない。自分の役割を果たさなければ!』と思うようなことはないか?」

「うーん。」

「例えば中川課長の新人時代のことを思い出してくれ。俺たちの頃だと、学生時代には相当、自由気ままに振る舞ってきたよな。」

「三上部長の頃ほどではないとは思いますが、確かにそうです。今は随分、違うようですね。」

「そういった新人社員でも、上司の指示のもと担当者が協力して目標を達成しようとするキリリとした雰囲気がある職場に配属されたら、どうだろう?気ままには振る舞えないなと思うのではないだろうか?」

「確かにそうですね。自分も早く貢献したいとの思いを持つと思います。そういうのって、伝染るんですね。私も相当、自己研鑽に励んだ覚えがあります。」

「そういうことなんだ。」

「そう考えてみると、職場の雰囲気や文化は、人の言動、すなわち仕事の仕方に大きく影響しますね。チームのパフォーマンスは、結局はそこで決まるような気さえしています。」

「そうだろう。」


職場の雰囲気をコントロールする

「職場の雰囲気や文化が、働き手の仕事に大きく影響するということは、分かりました。でも、それをどうやってマネジメントとして使っていくのですか?職場の雰囲気や文化は、結果的にできるものであって、マネジメントするものではないような気がするのですが。」

「中川課長がそういうのも、無理もないよな。特に我が社のような、創業から50年以上たち、従業員も数百人に及ぶような企業では、出来上がった文化というものはなかなか変えられない。」

「おっしゃる通りです。」

「でも、こんなことはないか?ある課の雰囲気が、課長が交代したことで大きく変わったというようなことだ。」

「それは、あります。」

「だろう。ではそれは、どうして変わったのだろう。」

「それは、課長のキャラクターとか信念に影響されたんでしょうね。」

「そうなんだ。職場の雰囲気は、マネジャーの言動や信念で変えることができる。」


職場の文化をマネジメントする

「職場の雰囲気のマネジメントについては分かりました。しかし文化はどうですか?特に企業文化ともなると、現場では変えられないですよね。」

「そうだな。職場の文化とは、人々が集団として持つ価値観や規範、伝統、信念等によって形作られている。これらに働きかけていくんだ。」

「どういうことですか?」

「カルチャー・コントロールでは、4つのアプローチが提案されている。」


行動規範とは

「最初は行動規範だ。」

「難しい名前ですが、要は決まりということですね。」

「そうなんだが、もう少し広い概念といえる。企業理念や綱領、ミッションステートメント、ビジョン、経営哲学なども含んでいる。」

「これらによって、経営サイドが現場の人々にどのように働いて欲しいか、どのように言動して欲しいかを表現している訳ですね。」

「そういうことだ。これらは言葉を換えれば『実現しようとする企業文化』の表現ともいえる。」

「そうか。だから軽んじてはならないのですね。」


グループ形成・活動に関する措置

「次は、グループ形成・活動に関する措置だ。」

「なんですか、それは?」

「一人の人間の能力を超える仕事を成し遂げようとするなら、共通の目的を持ったグループとして、各人が協力し合う体制を作る必要だ。この場合、『この仕事をみんなの力で成し遂げよう』という意思、雰囲気が存在するか否かでパフォーマンスに大きな違いが生じると思う。」

「それはそうですね。」

「例えばオフィスで、グループがひとかたまりになっているのと、各個人がバラバラなのと、どちらが仲間意識が生まれると思う?」

「それは、ひとかたまりになっている場合ですよね。」

「例えばお客様へのサポートをチームとして行うことになっている場合、そのチーム名を名刺に明記するのとしないのとで、どちらがチームを意識すると思う?」

「それも、チーム名を明記する場合ですよね。」

「そうなんだ。そういう工夫をするのとしないのとでは、チームのパフォーマンスはずいぶん違うだろう。」


グループ単位での評価・報酬

「次は、グループ単位での評価・報酬だ。」

「これは、分かりやすいですよね。チームとしてのパフォーマンスが評価や報酬に反映するなら、嫌が応にもチームを大切にするようになるだろうという考え方でしょう。」

「そうなんだ。グループメンバー間のコミュニケーションを円滑化して、漏れや矛盾があったら関係者が話し合って解消するなどの措置を取ろうとするだろうからな。」


トップの言動

「それからトップの言動も、職場の雰囲気や企業文化の醸成に大きく影響する。」

「そうですね。『顧客に喜ばれる最高の仕事をしよう』という標語を額に掲げて毎日、従業員に唱和させたとしても、トップがそれを口に出すことが全くなければ、現場には浸透しないでしょう。」

「トップ自らが顧客と会ったり話したりすることを避けたり、顧客に対して不誠実な言動をとっていることを目にすれば、部下も真似をするだろうからな。」

「逆にトップ自らが現場に立ち、顧客と笑顔で話しをし、取引がお互いのメリットになると共に喜んでいる姿を眼にすれば、従業員も真似したいと思うでしょう。」

「そういうことだ。」

コラムマネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫

「世界の先進国では日本だけが一人負け」という話を聞くことがあります。世界が日本を羨んだ “Japan as No.1” からまだ40年ほどしか経っていないのに、当時、途上国といわれていた幾つかの国々の後塵を拝している現状です。

それを打開する方法の一つに、マネジメントを高度化していくことがあると思われます。日本のホワイトカラーの生産性は先進国では最低だといわれていますが、逆に言えば、マネジメントを改善すれば成果を飛躍的に伸ばすことができる可能性があります。

筆者は Bond-BBT MBA でMCS(マネジメント・コントロール・システム)論を学んで以来、マネジメントでもって企業の業績をあげる方法について研究してきました。マネジメントを合理的に考え直し、システムとして組み直すのです。StrateCutionsで行うマネジメント支援の理論的背景や方法論を、お知り頂ければと考えています。

企業概要

住所 〒160-0023
東京都 新宿区西新宿7-4-7 イマス浜田ビル 5階
設立 2015年10月1日
URL

http://stratecutions.jp/

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