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マネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

第23回

上級マネジャーの役割(財務的成果マネジメント)

「上級マネジャーの役割について、お聞きしているところです。結構、お聞きしましたよね。これでもう7回目ですよ。」

「そうだな。上級マネジャーのマネジメントは中川課長の担当外なのに、随分と引っ張ってしまった気がするよ。」

「私がお願いしたのですから、あまり文句は言えないのですが・・・。」

「そうだな。俺の予定でも、今回で最後だと思っている。まあ、我慢して聞いてくれ。」

「分かりました。」


業績を基準に判断する

「以前に一回、聞いたことがあるよな。上級マネジャーとして、部下である現場マネジャーが行っているマネジメントがうまくいっているかどうかを、どのようにして判断すれば良いのだろう?」

「娘の勉強を例に、教えてくれましたよね。娘の勉強方法が正しいかどうかは、テストの点を見ていれば分かります。それと同じように、部下である現場マネジャーが行っているマネジメントがうまくいっているかどうかは、パフォーマンスを見れば判断できます。」

「そうなんだ。上級マネジャーは、他に4つの役割を果たしている。戦略に関わる『戦略創造・ブレークダウン』、『現場マネジャーへのマネジメント』、そして複数の現場部門や経理部門などの管理部門を上手く連携させる『部門間連携』、そして『マネジメント体制の再構築』だ。」

「これら全てが上手くいっているかどうかは、期待した成果が得られているかどうかで判断できるという訳ですね。」

「そういうことだ。だから上級マネジャーにとって、パフォーマンスを見て自分のマネジメントを調整することが究極にして最大のマネジメントになる訳だ。」

「それを、あの難しそうな『財務成果コントロール』という訳ですね。」

「そうなんだ。」


パフォーマンスから4つの役割を見直す困難さ

「こうやってお話をきいていると理に適っているのでフムフムと聞き流してしまいそうですが、実際は大変なことですね。」

「おっ、いいところに気がついたな。それはどういう意味だ?」

「そうやって私をテストしているのですね。あまり良くない答えでも、怒らないでくださいよ。」

「俺がいつ怒ったとでも?」

「それは、まあ、おいておくとして。」

「じゃあ、答えを聞こう。」

「上級マネジャーは『戦略創造・ブレークダウン』、『現場マネジャーへのマネジメント』、『部門間連携』そして『マネジメント体制の再構築』をマネジメントしているのですよね。そしてそれらがうまく行われているかどうかを、企業のパフォーマンスでもって判断する。」

「そうだよ。」

「パフォーマンスが望ましい水準になければ、改善しなければならない。しかし、4つのうちの『何』が原因なのかは、分かることもあるでしょうけれど、分からないことも多いでしょう。ましてや、それをどのように変えれば良いかを知るのは大変難しい。そう思ったのです。」

「素晴らしい。正解だよ。上級マネジャーのマネジメントが難しい根本原因の一つが、今、中川課長が言ってくれたことなんだ。『戦略創造・ブレークダウン』、『現場マネジャーへのマネジメント』、『部門間連携』そして『マネジメント体制の再構築』の何れについて、どのように改善していくべきなのかを判断するのは大変難しい。これらが複合的に作用しあって、会社のパフォーマンスが生まれているのだからな。だからこそ、会社という仕組みを実地と理論で知り尽くした『上級マネジャー』の仕事なんだよ。」


指標を考え直す

「そういう難しい仕事をするのが上級マネジャーの役割だと、突き放してしまって、良いのでしょうか?結局、答えはないということですか?」

「もちろんシンプルなソリューションなどない。しかし、どうにかして切り口はないかと模索してきたのが、経営学の歴史なんだ。」

「おっと、いきなり大上段の話になってきましたね。」

「そうかもな。しかし、こういうことを面と向かって考えていくかどうかで、マネジメントが改善されていくか、もしくは停滞したままか、大きく差が出てくるのではないかと思うだ。そしてこの点で、日本は少し勤勉ではなかったような気がする。」

「で、経営学は何を教えてくれているのですか?」

「ひと口にいえば、現状や問題原因、解決方法などについて仮説を立てて検証し、ロジカルもしくは経験的に得られた策を実行し、検証して改善していくということだろうな。」

「ひと口にいえばPDCAサイクルを回していくということですね。」
「そういうことだ。」

「しかし、その仮説思考が難しいのではないでしょうか。『あれが原因ではないかな。あれを、このように変えた方が効果が上がるのではないかな』と考えて検証し、『やはりそうに違いない』と確証を得るなんてことは、言うは易し、実行するは至難の技ですよ。」

「確かに、仮説の検証は難しいよな。特に、他人を説得できるほど客観的に。」

「そのような時には、どうするのですか?」

「不都合な現象の発生や、その原因、対策等に関する仮説を検証するためには何に着目すれば良いのかがポイントになる。現場で望ましい状況が実現している時、もしくは不都合な現象が起きている時、それをどのように計測できるかが問題なんだ。それを客観的な数値として表現したい。それを追求してきたのが、管理会計学の歴史なんだ。」

「指標ということですか?」

「そうだ。仮説検定するために何を指標とすれば良いのか考える。時には新しい指標を作り出したりする。それが管理会計学の歴史だったわけだ。」

「なるほど。」

「会社の問題をあぶり出す指標を選び、それを監視し、問題があったらすかさず原因や対策について仮説を立て、検証した上で実行していく訳だ。」

「まさに、上級マネジャーの仕事という感じがしますね。」

「そう。そして上級マネジャーと管理会計が切っても切れない関係にあるというのは、こういうところに理由があるんだよ。」

「わかりました。」




 セミナーのご紹介

【KYOの会 第5回勉強会】企業を強くする計画書の書き方

今回は「企業を強くする計画書の書き方」と題して、中小企業診断士の落藤伸夫がお話します。第3回勉強会「変わりつつある中小企業政策~中小企業はこれから何を考えて経営すべきか?~」の続編としてお届けするものです。補助金等で求められている計画書についてどのように理解し、どのように作成すれば自分の会社を強くすることに繋がるかを考えていきます。


【概要】

<日時>
9月12日(月)19:00~

<会場>
青山タウンヴォイス
東京都港区南青山2-10-6 外苑ビル3F
TEL: 03-5770-8155
最寄駅:青山一丁目駅(徒歩)4分、外苑前駅(徒歩)5分

<タイムスケジュール>
18:40 開場
19:00 開会挨拶
19:05 勉強会「企業を強くする計画書の書き方」     
20:15 終了挨拶

<費用>
会費2000円

【お申込み方法】
「お問い合わせ・資料請求」コーナーから「KYOの会参加希望」と明記の上、送信して下さい。
追って、こちらからご連絡させて頂きます。
<「お問い合わせ・資料請求」コーナー>
https://www.innovations-i.com/shien/contact/13509.html#article


【KYOの会とは】
協力して、強力になり、今日を頑張ることを目指す社長の会です。

【講師紹介】
落藤伸夫(中小企業診断士、MBA、ドラッカー学会会員)
バブル前夜から約30年間、日本政策金融公庫にて、企業の「資金」に関する業務に携わる。現在、「戦略の実行により企業を強くする」支援をメインとする StrateCutions 代表。


コラムマネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫

「世界の先進国では日本だけが一人負け」という話を聞くことがあります。世界が日本を羨んだ “Japan as No.1” からまだ40年ほどしか経っていないのに、当時、途上国といわれていた幾つかの国々の後塵を拝している現状です。

それを打開する方法の一つに、マネジメントを高度化していくことがあると思われます。日本のホワイトカラーの生産性は先進国では最低だといわれていますが、逆に言えば、マネジメントを改善すれば成果を飛躍的に伸ばすことができる可能性があります。

筆者は Bond-BBT MBA でMCS(マネジメント・コントロール・システム)論を学んで以来、マネジメントでもって企業の業績をあげる方法について研究してきました。マネジメントを合理的に考え直し、システムとして組み直すのです。StrateCutionsで行うマネジメント支援の理論的背景や方法論を、お知り頂ければと考えています。

企業概要

住所 〒160-0023
東京都 新宿区西新宿7-4-7 イマス浜田ビル 5階
設立 2015年10月1日
URL

http://stratecutions.jp/

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