食事サービス:利便性を重視した新たなビジネスは5〜25%のプレミアム価格で提供
食事サービス:利便性を重視した新たなビジネスは5〜25%のプレミアム価格で提供
ブルーエプロンやウーバーイーツなど、新たなビジネスモデルを用いた食事サービスが増加、利便性に対する消費者の支払い意欲の高さも証明することに
先端技術の技術評価と市場分析を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:ボストン、www.luxresearchinc.com)では、昨今注目される、レシピサービス、ミールキット、出前や食材宅配などを含む「食事サービス」に関する調査を実施し、『食事サービスの新たなビジネスモデルを評価する:利便性に対し、消費者はいくら支払う意欲があるか?(Assessing New Food Business Models: Putting a Price on Convenience)』と題したレポートにまとめました。
これまでにもスーパーのオンラインショッピングやオーガニック野菜などの食材宅配サービスは存在していましたが、昨今、新たな食事サービスが活発化しており、話題を呼んでいます。食事のメニューと調理に必要な計量済み食材を配達するブルーエプロンや、レストランのメニューを自宅へ配達するウーバーイーツなど、サービス内容は多様ですが、いずれも利便性を軸とした新たなビジネスモデルにて展開しております。このような新サービスの増加は、消費者にとって食事の際の選択肢が広がるメリットがありますが、サービス価格は高めに設定されている場合が多く見られます。
本調査では、食事サービス市場の新たなビジネスモデルについてまとめ、分類しました。また、米国(ニューヨーク、サンフランシスコ)、西欧(英国、オランダ、ドイツ・ベルリン)、オーストラリア(シドニー)を対象に、利便性に対してどの程度のプレミアム(上乗せ料金)が設定されているかを分析しました。プレミアム価格調査の対象は、鶏肉・魚・ベジタリアン向けのメインディッシュとし、利便性に関しては、スーパーマーケットでの購入から、レストランとテイクアウトまで、4段階のレイヤーとして分析しています。下記が調査結果の一部です。
• 利便性への支払い意欲は地域によって異なる。
米国では、必要な材料が揃っているミールキットに対し、21%のプレミアムが設定されていることがあるとわかりました。これは世界平均よりも10%高い数字です。西欧においては、レストランのテイクアウトはデリバリーサービスよりも1%値段が安い設定になっています。オーストラリアの消費者は、温める必要があるものに対し、すぐ食べられるレディーミールへは44%のプレミアムを支払っていることがわかりました。
• 新しいビジネスモデルは宅配サービスを含む。
新しいビジネスモデルとして注目を集めているサービスはいずれも宅配を手がけており、業界スタンダードや消費者の嗜好の変化を示唆しています。食事の宅配自体は今後差別化要因とはならず、また宅配なしで利便性のみに特化しているサービスは競争に負けてしまう可能性が高くなります。
• 将来的には個別化や配達先の広がりへの対応が必要となる。
ライフスタイルの変化に対応するため、配達先の拡大の必要性やさらなる利便性を求める動きが今後考えられます。例えば、健康状態や味の好みへの対応、あるいはその日の気分に合わせた食事内容など、より幅広い食のニーズに答えるべく、サービスの多様化が求められるようになるでしょう。
図: 消費者は利便性の増加に応じてプレミアム価格を支払う
本調査を担当したラックスリサーチのアナリスト、カミラ・スタイスのコメント:
『消費者は利便性を高く評価するため、便利であればあるほど、高めの値段設定になる傾向があります。食品サービス分野にて新たなビジネスモデルを検討している企業は、複数の観点から利便性を追求すべきです。』
本調査レポートはラックスリサーチの食品・栄養インテリジェンスサービスにて提供しております。
詳細はこちら:http://www.luxresearchinc.com/coverage-areas/food-and-nutrition
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ラックスリサーチについてラックスリサーチは先端技術分野に特化したアドバイザリーサービスを提供する調査・コンサルティング会社(本社:米国ボストン)です。IoT、化学品・材料、ヘルスケア、エネルギー、農業、食品など多くの先端技術を調査対象とし、グローバルな視点での技術評価、アプリケーション別の事業性、政策・規制、ビジネスモデルを調査・分析しております。特に事業会社における成長戦略の一環である新分野・新事業参入やオープンイノベーション実現のご支援を行っております。詳細については、弊社ホームページ(www.luxresearchinc.com)をご覧ください。
【本ニュースリリースに関するお問い合わせ】
Lux Research, Inc.
戸口 久子 (hisako.toguchi@luxresearchinc.com)
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