食品:シリアルの売上は2011年の85億ドルをピークに減少
食品:シリアルの売上は2011年の85億ドルをピークに減少
これまで一般的だったシリアルから朝食向けにヨーグルトやスナックバーが普及、
食品メーカーはイノベーションに注力する必要あり(ラックスリサーチ調べ)
2016年4月19日 – 先端技術の技術評価と市場分析を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:ボストン、社長:デニス・フィルビン、www.luxresearchinc.com)では、朝食用シリアルの市場動向を調査しました。
すぐ食べられる朝食として親しまれてきたシリアルですが、昨今、売上の減少が顕著となっています。これは一時的な減少というわけではなく消費者の嗜好の変化を受けたもので、今後も下降トレンドをたどることがわかりました。
若い世代がシリアルに代わる朝食を選択するようになったことを受け、朝食用シリアル市場の成長は2007年時期に鈍化し、売上は2011年のピーク時の85億ドルから、2014年まで4年連続で減少を続けています。一方で、ヨーグルトの売上は70億ドルを超え、またスナックバーも55億ドルへと増加するなど、朝食メニューの世代交代が見うけられます。
ラックスリサーチのリサーチアソシエート、ジョイス・プラナタは、『朝食の選択肢が増加する中でシリアルは魅力を失う(“Cereal Loses Crunch as Breakfast Alternatives Take Over”)』と題したレポートにて、次のように指摘しています。
『消費者はより利便性が高いものを求めており、またリモートワーカーの増加など社会的習慣の変化を受けて朝食のあり方も変わってきています。 また最近は自然志向や健康的な食生活を選択する人も増えており、シリアルに代わる新商品の開発を試みるには適した環境と言えるでしょう。』
ラックスリサーチでは朝食用シリアルの市場動向を調査し、またシリアルに代わる朝食向け商品として注目されるスナックバーとヨーグルトの動向についてまとめました。以下が調査結果の一部です。
• 人口の推移が朝食市場を大きく変えている。 人口の推移が消費者の朝食選択における変化の理由の一つです。西欧では出生率低下と晩婚化が進み、人口ピラミッドの底辺が崩れ、朝食の消費量そのものの減少が予想されます。また2−11歳の年齢グループで朝食を取る人の半数がシリアル以外の朝食を好んで消費しています。
• 7,000以上のスナックバーが販売されている。 シリアルバー、フルーツバー、グラノーラやミューズリーバー、エネルギーバーなど、スナックバーの種類は多く、朝食向けシリアル市場には多くの競合商品が存在します。スナックバーの売上は2003年の18億ドルから2014年には55億ドルへと約3倍へと成長しています。
• 健康への関心が高まる中、ヨーグルトの売上も増加。 米国でのヨーグルトの売上は2004年から2015年の過去10年で年平均6.1%成長しています。タンパク質やプロバイオティック源としてのみでなく、ビタミンK2やオメガ3などを含むことを受け、健康意識の高い消費者の間で消費が増加しています。
前出のレポート、『朝食の選択肢が増加する中でシリアルは魅力を失う(“Cereal Loses Crunch as Breakfast Alternatives Take Over”)』はラックスリサーチの『食品と栄養(Food and Nutrition)』インテリジェンスサービスにて提供しております。
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ラックスリサーチについてラックスリサーチは先端技術分野に特化したアドバイザリーサービスを提供する調査・コンサルティング会社(本社:米国ボストン)です。IoT、化学品・材料、ヘルスケア、エネルギー、農業、食品など多くの先端技術を調査対象とし、グローバルな視点での技術評価、アプリケーション別の事業性、政策・規制、ビジネスモデルを調査・分析しております。特に事業会社における成長戦略の一環である新分野・新事業参入やオープンイノベーション実現のご支援を行っております。詳細については、弊社ホームページ(www.luxresearchinc.com)をご覧ください。
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