中小企業のIoT推進に関する意見
本意見では、人手不足や販路拡大、長時間労働などさまざまな経営課題に対応するために、IoTをはじめとする新しいIT技術の導入・活用が有用である一方、中小企業は、人材・資本・情報の経営資源に制約があり、特にITの活用を検討する人材が社内にいないことが問題との認識を示し、中小企業のITを活用した取り組みの後押しを、政府に求めています。
具体的には、「製造業分野の中小企業におけるITの導入・活用の指導を、専門コンサルタントやコーディネーター等を擁するチーム制で行う『ものづくり』支援拠点の整備」や「日頃の経営課題等に対応する簡易なIoTツールやシステム開発の支援」、「政府が打ち出したITコーディネータ等のIT専門家による1万社支援計画を、1万社で終わることなく持続性のある仕組みとすること」等が必要であるとしています。主な内容は以下のとおりです。
基本認識
・日本全体の生産性向上には、中小企業の生産性を向上させることが不可欠である。
・中小企業は、人口減少・労働力減少などを背景とする人手不足の状況にあり、一層の経営の効率化を図る必要がある。
・近年、IoT、ビッグデータ処理、人工知能といった新しいIT技術が誕生し、経営力強化・生産性向上のために、これらの導入・活用が必須となりつつある。
・しかし、中小企業は、人材・資本・情報の経営資源に制約があり、特にITの導入・活用を検討できる人材が社内で不足している。ついては、中小企業のIT導入・活用の取り組みを後押しするために、多様できめ細やかな国の支援が必要である。
※ここでは、IoTを、ITなどの「デジタル技術」と、ものづくりを含めた「生産技術」の融合により生産性を向上させる取り組みと理解する。)
1.製造業分野の中小企業のIoT・ロボット等の導入・活用支援
(1)導入・活用を支援する拠点の整備について
(2)IoTツールやシステム開発等への支援について
(3)IoT推進のための顕彰制度の創設について
2.中小企業・小規模事業者へのIT導入・活用支援
(1)中小企業・小規模事業者に対するIT専門家の派遣等について
(2)IT導入・活用相談会等による支援について
(3)情報セキュリティ対策の周知徹底について
(4)KPI(ITの導入・運用の目標値)にもとづく着実な施策の推進について
3.IoT推進に関する中期的な課題
(1)データ・フォーマットや通信方式の標準化について
(2)データ所有権ルールの明確化について
【お問い合わせ先】
情報化推進部 TEL:03-6402-6147日本商工会議所のプレスリリース