新エネルギー:次世代型燃料の生産増加に伴い、バイオ燃料市場の成長率は3.2%へと鈍化
新エネルギー:次世代型燃料の生産増加に伴い、バイオ燃料市場の成長率は3.2%へと鈍化
再生可能ディーゼル、ブタノールなどのエネルギー収量の高い次世代型燃料への移行が顕著(ラックスリサーチ調べ)
2014年3月13日 – 先端技術分野における市場動向調査を専門とするラックスリサーチ(本社:米国ボストン)の調べによると、2005年から年間19.6%の成長率で拡大してきたバイオ燃料市場は、2013年から2017年にかけて市場拡大の勢いが減速し、年間成長率は3.2%に留まることが分かりました。2013年時点では532億ガロン規模のバイオ燃料市場は、2017年には604億ガロン規模へと成長することが予測されます。
食用作物の燃料利用に対する世論動向に加え、バイオディーゼル、エタノールの混合比率上限規制などを受け、市場全体が次世代型燃料およびフィードストックへと移行していることが、このような年間成長率低下の主な理由として挙げられます。
再生可能ディーゼル、ブタノールなどの次世代型バイオ燃料においては混合比率増加が可能であるなど注目が集まっているものの、市場拡大と成熟化が今後重要になります。
ラックスリサーチのシニアアナリスト、アンドリュー・ソアは、『次世代型フィードストックおよび燃料がバイオ燃料生産キャパシティ増加を刺激 (“Emerging Feedstocks and Fuels Spark Biofuel Capacity Expansion through 2017”)』と題したレポートにて、次のように指摘しています。
『廃油やセルロース系バイオマスなどの次世代型フィードストックは食糧供給とは切り離されており、新たなエネルギー転換技術が商用化されれば経済優位性の確立が可能です。同時に、再生可能ディーゼルなどの次世代燃料は現在のバイオ燃料の課題を克服することが可能であり、長期的にも生産量拡大に大きく貢献できます。』
ラックスリサーチでは、世界82カ国の1,700を超えるバイオ燃料生産施設を対象とした生産キャパシティデータベースを構築し、技術開発者の評価に加え、2017年に向けた生産規模の予測調査を実施しました。以下が調査結果の一部です。
• エタノールが今後も市場規模においてはトップの座を占める。エタノールは2013年時点での世界のバイオ燃料の65.9%を占めており、2017年も66%と同様のシェアを維持することが予測されます。再生可能ディーゼル、ブタノール、バイオジェットなどのその他バイオ燃料は18.7%成長するものの、バイオ燃料全体の3.3%を占めるに留まります。
• 再生可能ディーゼルが次世代型バイオ燃料市場をリード。技術革新に後押しされ、再生可能ディーゼルの生産キャパシティは2017年には年間11億ガロンまで成長します。廃棄物利用の再生可能ディーゼル生産は特に重要な位置を占めることとなります。
• セルロース利用のエタノール市場の成長は鈍化。Beta Renewables社、POET-DSM社およびAbengoa社などを中心に、年間7億8200万ガロンのセルロース利用のエタノール生産が発表されているものの、実際には3億8400万ガロン規模の生産に留まると予測されます。
『次世代型フィードストックおよび燃料がバイオ燃料生産キャパシティ増加を刺激 (“Emerging Feedstocks and Fuels Spark Biofuel Capacity Expansion through 2017”)』レポートはラックスリサーチの『新エネルギー』 インテリジェンスサービスにて提供しております。
【お問い合わせ先】
ラックスリサーチについてラックスリサーチは独自の研究と世界に広がるネットワークを駆使し、最先端技術分野における技術・市場動向調査を実施しています。世界中で研究開発に注力するトッププレイヤーに対し、オープンイノベーションおよびテクノロジースカウティングの実現をサポートしています。
詳細については、弊社ホームページ(www.luxresearchinc.com)をご覧ください。
【本プレスリリースに関するお問い合わせ】
ラックスリサーチ
戸口 久子
hisako.toguchi@luxresearchinc.com
ラックスリサーチのプレスリリース