堀江車輌電装株式会社

堀江車輌電装株式会社 代表取締役 堀江泰氏

公開日:2017年1月5日

鉄道業界の若き社長の新たな挑戦

正確で安全な日本の鉄道が海外で話題になることが多いが、支えているのは日々の鉄道 車両の整備や点検だ。私鉄や地下鉄を中心とした車両メンテナンスを担って49 年の老舗企業「堀江車輌電装株式会社」の新社長に就任して4年の堀江氏は、その信用に安住すること なく、次々と新事業を立ち上げ、成果を上げている。新事業の一つである障がい者支援事業は、堀江氏個人の障がい者への思いから 2013 年 からスタートし、今年度はそうした取り組みも評価され「千代田ビジネス大賞(経営革新部門)」を受賞した。人との出会いから広がりを見せる同社の経営について堀江氏に聞いた。
「千代田ビジネス大賞」につながった、障がい者支援事業について教えて下さい。
私個人の趣味であるサッカーがきっかけで、特定非営利活動法人日本知的障がい者サッカー連盟と出会ったことが全ての始まりです。ボランティアとして広報担当を任され、選手たちと関わる中で、障がいがある彼らには“選択肢”が少ないことを知り、何かできることは無いかと考えました。始めはボランティアとして個人的に関わっていたのですが、ボランティアで行える活動には限界がありました。元々、私自身が経営者としてビジネスを行っていたこともあり、自社のビジネスに発展をさせることで支援の幅を広げることができると考えました。現在では、障がい者支援事業部を立ち上げ、障がい者専門の職業紹介や障がい者と健常者のフットサルチームの運営を行っています。
障がい者支援事業部、フットサル2
障がい者専門の職業紹介では、就職を望む障がい者と障がい者を雇用したいという企業の橋渡しの役割を担っています。当社では社会福祉士や精神保健福祉士、ジョブコーチといった専門的なスキルを持ったエージェントが障がい者雇用の導入から就職後約 3 年間、業務の切り出しや障がい者雇用の計画策定、定着支援や支援機関との調整などのサービスを提供しています。障がい者と健常者のフットサルチームでは、毎週水曜日の夜に特別支援学校等で練習をしています。メンバーの中には知的障がい者フットサルの日本代表選手もおり、時折、知的障がいがある選手が健常者に指示を出している場面も見受けられます。障がい者雇用は余暇の過ごし方にも影響を受ける場合がありますが、障がい者に配慮された余暇活動場所はまだまだ整備がされていない状況です。当社では、フットサルの活動を通して、障がい者の余暇活動への貢献から、将来的には障がい者スポーツのさらなる普及に寄与していきたいと考えています。
新たに「ビルメンテナンス事業」もスタートしているようですが…
障がい者支援事業を開始した当初、サービスは当社を通じて障がい者雇用や障がい者スポーツの普及・ 促進するといった、“外”に向けたサービスでした。当社内でも積極的に障がい者雇用を進めていきたいという思いから、障がいがある方の受け入れ先として「ビルメンテナンス事業」を立ち上げました。
ビルメンテナンス事業
知的障がいがある高校生が通う特別支援学校には、清掃を専門に学ぶコースがあります。当社では、日頃からお付き合いのある東京都立永福学園をはじめとする特別支援学校の学生を学校のカリキュラムに従って実習生として受け入れる体制から整え、雇用へとつなげていく考えです。また今後は、専門的な技術者を特別支援学校へ派遣して、清掃の授業なども行っていく予定です。現在はビルメンテナンス事業部で2名の障がい者が働いておりますが、来年度以降は、さらに本格的に障がい者雇用を進めていき、最終的には障がいがある方が責任者として活躍できるような職場環境を目指していきたいです。
今後の展望について教えて下さい。
私は人との出会いやつながりを大切にしていますし、その中から様々なアイディアが生まれれば今後も新しいことにチャレンジをしていくつもりです。今、積極的に進めているのは、「提案型」の仕事を増やすことです。当社のサービスの一つである鉄道車両整備業界の仕事は、多くが「受託」の仕事です。受託の仕事だけでは、売り上げは横這い、もしくは下降を辿り、伸ばしていくことは難しくなります。また、受託ばかりの仕事では、顧客の潜在的なニーズを見逃しているかもしれません。そこで、当社の技術力や協力先のネットワークの強さを積極的に提示し、技術面を中心に新しい仕事を提案しています。その一例が、当社が請け負う「車両リニューアル工事」です。
車両部、床敷物貼り替え工事
当社は「堀江車輌電装」という名の通り、車両メンテナンスの中でも電気系統が強みの会社であり、内装関係の工事はこれまで請け負ったことがありませんでした。しかし、当社の技術力と協力会社とのネットワークがあれば、当社で電気系統から内装関係まで一度に請け負うことができると考え、メリットやコストを顧客に提案したところ、無事に成功まで導くことができました。同じ仕事でも見方を変えれば可能性は無限にあります。今後は、引き続き技術の部分の提案を進めていくとともに、環境面を考えた車両メンテナンスの提案などもしていきたいです。当社が経営理念に掲げている「柔軟な発想と実行力で、広く深く社会に貢献する企業」のもと、更なる高みを目指して邁進していきます。

堀江泰(ほりえ・やすし)私立聖望学園高校卒業。2000年に父親が経営する堀江車輌電装株式会社入社。車両部の現場を
7年間経験し、2007年に常務取締役、2012年に四代目代表取締役に就任。代々続く車両部の拡大の一方で、2014年には
障がい者支援事業を立ち上げ、 2016年には M&A によりビルメンテナンス事業を立ち上げ事業領域を多角化。先代から続く【人】への想いと経営理念である「柔軟な発想と実行力で、広く深く社会に貢献する企業」 を軸に事業へ取り組む。36 歳。
埼玉県出身。

企業概要

住所 〒102-0073
東京都 千代田区九段北 大橋ビル5階
設立 1968年6月18日
資本金 1000万円
従業員数 48人
URL

http://www.horie-sharyo.co.jp

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