株式会社ストリートデザイン 代表取締役 坂本佳次郎氏
東日本大震災から6カ月が経ち、被災地の宮城県釜石市で新たな事業が始まる。被災地のアスベストを含む災害廃棄物処理の無害化を目指す日量処理能力5㌧の実証炉が宮城県釜石市内に設置され、災害廃棄物処理実証事業を進める。
東日本大震災で発生した災害による廃棄物には木や廃プラスチック、アスベストを含む物質が多数含まれる事が予想されるが、アスベスト含有廃棄物を無害化しながらエネルギー源としても移用できるシステムの構築を目指す。
今回の事業は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から業務委託を受けたストリートデザイン(代表取締役社長・坂本佳次郎氏=写真)が事業主体となって行う。 同社はNEDOの「アスベスト含有建材等安全回収・処理等技術開発」の採択を受けて2009年度から低温溶融無害技術の開発を行ってきた。低温溶融無害技術は、アルカリ系低温溶融剤を利用し725℃の低温でアスベストを無害化しようとする技術。混合状態の廃棄物を溶融して得られるガスや固形残さのサンプルを採取してアスベストの無害化を検証する。
アスベストの無害化技術や無害化された生成物の分析評価、熱分解技術、廃棄物の再資源化技術などには同分野の研究に取り組む秋田大学などとも連携、産学官連携事業として進めていく。このほかにも一般社団法人日本石綿処理技術開発普及機構、戸田建設、独立行政法人産業技術総合研究所、東京工業大学も参画する。
実証炉は廃棄物を遠隔地まで運搬する手間を省き、廃棄物集積所の近くで処理する事が出来るように車載型(移動式)システムも検討、導入する。ストリートデザインでは将来的な事業化も視野に入れて平成24年3月まで実証開発事業を進める。
【会社概要】
株式会社ストリートデザイン
代表取締役社長 坂本佳次郎氏
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