クリナップは、ショールームを活用した事業戦略を強化する。その一環として「クリナップ・キッチンタウン・名古屋」を開設。東京、大阪に次ぐ旗艦拠点として設定し、商品だけでなく暮らし方や生活価値を体感できるような空間とした。このほか各拠点では、ツアー形式の案内態勢を強化することで、主力システムキッチン「クリンレディ」などに搭載されている「流レールシンク」のアピールに力を入れる。また、認知症予防のセミナーを開催するなど新たな需要層の開拓も積極的に進めていく。
「流レールシンク」。ショールームでは性能のアピールに力を入れている
名古屋のショールームにはシステムキッチンだけで22セットを設置。リニューアル前に比べて8セットも増やすなど大型化を図り、実際の使い勝手を確認しやすいようにした。
キッチンスタジオでは食・住文化に関するさまざまなイベントを実施。500以上のアイテムをそろえる店舗「ドリーミアショップ」を設置するなど、気軽に立ち寄れるショールームを目指した。
全国の拠点では「知って得する体感フェア」を随時開催。中高級品の販売強化に向けて、顧客の囲い込み戦略に力を入れている。
ショールーム戦略を重視する理由の一つは流レールシンクの性能をアピールするためだ。同シンクは排水口をごみの発生しやすい調理面側に寄せ、底面を手前に傾斜させ、水の流れを排水口に導く構造にすることで掃除の手間を省けるようにしたのが特徴。不満未満の“非満”を拾い上げて開発した商品で、収益増の原動力となっている。
「フジサンケイビジネスアイ」