仕事上、地方への出張が多く旅行かばんが欠かせない半蔵門パートナーズの武元康明社長=東京都千代田区
人材スカウト会社サーチファーム・ジャパンのグループ会社で医師スカウトなどの実績を持つ半蔵門パートナーズ(東京都千代田区)は、地方に拠点を持つ企業や医療機関に幹部候補の人材を紹介するサービスを2015年9月に開始した。都市部で管理職などの経験のある人材を活用し、地方の企業の成長を促し、雇用創出や地域活性化につなげるのが狙い。
半蔵門パートナーズは08年に設立。地方病院への医師スカウトを中心に展開してきた。優れた商品やサービスを持ちながら人材獲得に苦戦している地方企業が多いことを知り、都市部に偏在しがちな事業経験が豊富で即戦力になる人材を紹介する専門部署を発足させた。
医療関係で3人、それ以外の地方案件で7人の計10人で構成。主に近畿や中国、九州地方にある企業や病院からの依頼が多いという。
リーマン・ショックや東日本大震災を経て、東京など大都市に本社を移さず地方にとどまりながら、海外に直接進出する企業が増え、病院では統廃合の動きが広がっているという。その際に、海外との交渉やM&A(企業の合併・買収)、経営全体を見通せる人材が必要となる。
半蔵門パートナーズの武元康明社長(47)は「都市部は経験豊かな人材を生かせるポストが十分にはない。一方で地方には需要があり、その橋渡しが必要だ」と指摘する。
これまでに都市部の製造業大手の管理職経験者が地方病院の事務局長に転職。理事長を補佐して病院経営に携わる例があるという。
武元社長は「優秀な人材を紹介して地方企業が成長すれば雇用創出につながる。病院に民間のノウハウが入ることで、介護タクシーなど関連する福祉サービスを展開することも可能だ」と話す。
18年までに70人の人材紹介と売上高約5億円を目指す。
「フジサンケイビジネスアイ」