□Sansan取締役・富岡圭さん(39)
--インターネットを使った企業向け名刺管理サービス「Sansan」が急速に伸びている
「導入業は2年前まで1000社程度だったが、今年4月に3000社を超えた。利用者は名刺をスキャンしてネットで当社のデータセンターに情報を送信すれば、オペレーターが入力してデータベース(DB)化するので、名刺管理が便利になる。公開された人事情報を基に名刺情報を更新したり、同じ会社の社員が受け取った名刺を共有したりする機能もあり、常に最新の顧客情報を見ることができるのが強みだ。この点が支持されている」
--8月中旬をめどに外部連携用インターフェース(仲立ち)機能を無償で公開する狙いは
「この機能を利用するパートナー企業は、名刺情報を組み込んだ業務ソフトやサービスを開発できるようになる。Sansanのサービスが拡充し、名刺情報が社内のさまざまな業務の効率化に役立つ。サービス対象が広がると、1社当たりの利用者数は増え、売り上げ増加につながる。サービスの魅力が向上すれば、導入企業数も増える。現時点で、日本マイクロソフト、日本郵便など20社がパートナー企業に名乗りを上げている」
--想定する連携サービスの内容は
「例えば、日本郵便とのサービスの場合、SansanのDBを宛名の印字に活用し、はがきのデザインから投函(とうかん)、配達までを一括して依頼できるサービスを提供できる。営業支援システムを開発するパートナー企業なら、名刺を交換した顧客の情報を地図上にプロット(配置)し、近くの営業先を参照できるサービスも可能だ」
--経営目標は
「名刺のデジタル管理が当たり前になる社会を実現し、2017年までに導入企業数1万社を達成したい。現在、約20億円の売上高を50億円程度に引き上げる」
◇【プロフィル】富岡圭
とみおか・けい 慶大環境情報卒。1999年日本オラクル入社。福岡のほか中国・上海、タイ・バンコクの拠点などで勤務。2007年6月、大学時代からの友人、寺田親弘社長らとともにSansanを創業し現職。神奈川県出身。
「フジサンケイビジネスアイ」