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株式会社イエティ 代表取締役 土川雅代氏
すべての人が安心してセラピーを受けられる場所を目指して

取材日:2013年7月5日


株式会社イエティ 代表取締役 土川雅代氏

■事業についてお聞かせください
 「株式会社イエティ」では、占い師やヒーラー、カウンセラーなど「セラピスト」と呼ばれる方々の独立支援事業を行っています。
 セラピストの多くは個人で活動していらっしゃいます。そんな皆さんが持つ課題の解消、集客のお手伝いやコンサルティング、マネジメント業務などをさせていただいています。 セラピストの課題として必ず出るのが場所の問題。専用スペースを持っている方は決して多くありません。持っていらしても都心から離れていたり、不便な立地だったり。近くのカフェを利用される方もいらっしゃいますが、長時間で利用するために何杯も飲み物を頼むのも何かと気を使うものです。相談者の立場としても、カフェでは深い話をしたりタロットカードを出されたりするのもちょっと困りますよね。 そんなセラピストの方々のニーズを汲み上げ、2012年12月からレンタルスペース「Yena(イエナ)」の運営を始めました。 セラピスト以外の個人事業主の方にも、自立支援としてコンサルティングやイベントの企画運営、各種制作などもお受けしています。
■起業のきっかけをお聞かせください
 もともと大阪に住んでいたのですが、夫の転勤で東京に引っ越してきたことがきっかけになりましたね。
 東京に引越してくる前は、フリーランスで紙媒体やWebの企画・制作、プランニングやライティングの仕事をしていました。そのまま東京でも同じ仕事を続けようと考えていましたが、たまたま相談した知人の方が実は占い師という側面も持っていて、その方に相談をしたことが今の事業を始めるきっかけになりました。
そんなご縁で、占い師も含めたカウンセラーやヒーラーなどのセラピストの皆さんのコンセプト作りや、集客などのお手伝いをさせていただくようになりました。そこからクチコミで、広く深くセラピストの皆さんのブランディングや集客のお手伝い、コンサルティング、マネジメント業務までのお手伝いを現在はさせていただいています。
■事業の強みを聞かせてください
 一般的なレンタルスペースは個室になっているケースがほとんどですが、「Yena」はパーテーションで区切られたオープンな空間が特徴です。同じ空間に必ずスタッフがいます。相談者の中には初対面でいきなり個室ということに抵抗を感じる方も少なくありません。セラピスト側も異性の場合や全くの初対面の方の場合などは同じように抵抗を感じることがあります。オープンでありながらもほどよいプライベート空間が保たれていることで、双方ともに安心して利用いただける点が特徴です。また、子供連れでのご利用を歓迎している点も喜んでいただいています。
 これら以外の様々な理由も含めて、すでにサロンをお持ちの方にも「Yena」を利用していただけており、本当にうれしく思っています。 そして1番の強みは、レンタルスペースとして、ただ場所を貸すだけではない点にあります。オープンスペースですので自然と居合わせたセラピスト同士が顔見知りになって、同じスペースを利用するもの同士、横のつながりができます。そこからお互いを知り合うことで新しいアイデアが生まれたり、ビジネスパートナーとして事業が広がったりする場としてもご利用いただいています。
 今ちょうど準備を進めているのですが、「Yena」主催の「技術交換会」というイベントを企画しています。セラピストになりたての方は、その技術を活かし、向上させる機会がなかなかありません。そんな皆さんが現場での経験を積む場として、参加者同士がお互いのサービスを交換し合うことができるイベントです。
 例えば、駆け出しの占い師とアロマセラピストがお互いのセッションを交互に受け合うことで、経験値を高め合う。ネイリストとカウンセラーがお互いの持っている技術を交換し合う。そんな場として利用していただきたいと思っています。
 実は、イベント会場などで空いた時間に個人ベースで交換セッションをするケースはよくあります。「技術交換会」はその部分だけを取り出して、限定10名のイベントとして開催します。こういったイベントは、ほかではあまりないので、これから本格的に活動を始めるセラピストの皆さんにとっては、経験値をグンとアップする貴重な機会になると考えています。毎月1回の定期開催を検討しています。
■今後のビジョンを聞かせてください
 資格がある、スキルさえ持っていれば、あとはホームページやブログ、フェイスブックで告知をするだけで簡単に人が集まると思っていらっしゃる方を時々お見かけします。 しかし現実は違っていて、まずは実績を積み、その実績をもとに営業を行い、少しずつ信頼を得ていくことが一番の近道だと私は考えています。
 しかし、現実には実績を積む場を得るだけでも大変な営業努力が必要になります。そんな皆さまの事業を軌道に乗せるために、例えば場所や機会の提供であったり、ブランディングであったり、集客であったりといろんな側面からのサポートをこのスペースを拠点にさせていただいています。
 このスペースで培った経験をもとに、「Yena」を「何かが生まれる場所」として多くの方々に認知していただき、経営を軌道に乗せ、2店舗目3店舗目と店舗を増やすこと。それと同時にサポートできるセラピストの皆さまの数もどんどん増えていってほしいと願っています。
 もっと先の目標としては、健康、美容、スピリチュアルなど、色々なセラピーがそこに行けば受けることができるビルの運営を考えています。代替医療やスピリチュアルがまったく初めての方でも「あの場所にいけば安心してセラピーやセッションを受けることができる」、そんな場所のイメージです。アメリカ・マンハッタンの「ニューヨーク・オープンセンター」のような、いずれ「オープンセンター・トウキョウ」を作りたいですね。
 今の日本では体調が悪いときには医者にかかる、薬を飲むことが多いと思いますが、そのほかの選択肢として、未病の段階からセラピストのセッションを受け、より健やかな毎日を送る方法がいろいろとあります。そういったセラピーの普及などにも力を入れていきたいと考えています。

略歴

株式会社イエティ 代表取締役 土川雅代氏
大学では心理学を専攻し、大学卒業後はアパレル業界や情報誌の編集を経験後、2009年にライター・プランナーとして独立起業。2010年3月に「株式会社イエティ」を設立し、セラピストのサポート事業も開始。2012年12月、東京・四ツ谷にてセラピストのためのレンタルスペース「Yena(イエナ)」の運営を開始。 並行して女性の起業を応援する「一般社団法人キャリア35」の理事としてさまざまな人たちへの起業支援活動も行う。 「みずから望み、叶える女性に」を会社の理念として掲げ、多くの女性たちのサポートを行っている。

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