与信管理事業などを手がけるRHフィナンシャル(東京都港区)は、テナント企業がビルオーナーに支払う保証金(敷金)を減額し、入居時の初期費用を削減できる「入居促進サービス(保証金半額くん)」の本格展開に乗り出す。オフィス総合情報サイト「オフィスの広場」を運営するリンクプレイス(東京都中央区)と業務提携し、物件検索サイト上で同サービスを提供することで、移転を検討している企業の利用機会を拡大したのに加え、契約更新時の導入など適用範囲を広げていく計画だ。
同サービスは、企業が入居時にオーナーへ預ける保証金を半額程度に減らし、減額分は同社が保証する仕組み。例えば、家賃が月額100万円の場合で、保証金が家賃の12カ月分とすると、企業は通常1200万円をオーナーに支払うが、同サービスを利用すると、6カ月分の600万円を預けるだけで済む。企業は初期費用の抑制が可能なほか、600万円が手元資金として残り、設備投資や運転資金などに活用できる。
企業は事前に同社へ決算書3期分などの書類を提出し、同社独自の与信管理システムによる審査を受ける。保証料(1年間)は通常、家賃の0.5カ月分だが、企業の信用力が高い場合は割引される。事務手数料として初回契約時に20万円が必要となる。
オーナーにとっては、滞納賃料や原状回復費などが保証範囲に含まれることから、保証金を減額するリスクを回避できる。競合する他のオフィスビルとの差別化が図れるため、入居促進効果も期待できる。
同社では今年10月に業務提携したリンクプレイスと物件検索サイト上で保証金が減額可能なオフィスビルを簡単に検索できる仕組みを構築しており、同サービスの知名度アップや利用機会の拡大を進めていく。さらに、オフィスビルから、ショッピングセンター、物販チェーンなどに物件の対象範囲を広げるほか、契約更新時の導入など適用範囲を拡大し、「企業の本業を手助けする金融ビジネスの実現を目指す」(豊岡順也社長)考えだ。
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株式会社RHフィナンシャル
東京都港区海岸1-2-20汐留ビルディング3階
代表取締役社長・豊岡順也氏
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