キデイランド 荘司 行男社長
■「お客さま満足度」の向上を追求
玩具やキャラクターグッズなどを販売するキデイランドは、1950年に営業を始めた旗艦店の原宿店を建て替え、来年6月にリニューアルオープンする。66年完成の前店舗は既に解体され、新築工事が着々と進む。新店舗のフロア構成は地上4階、地下1階となる予定だ。新生・原宿店の展開など今後の経営戦略を荘司征男社長に聞いた。
--新店舗のコンセプトは
「原宿の街並みにマッチした商業ビルになり、店舗も従来とは違うものを考えている。これまで以上に感動があり、楽しく、癒やされ『さすがキデイだね』と感じていただけるお店にしたい。バリアフリー化を図り、ゆったり感も出す」
--外国人の需要の取り込みも新店舗の課題になる
「ここ数年、売上高に占める外国人観光客の比率は33~35%程度で、経営的にはバランスがいい。いつ何が起こるかわからないので、外国人に依存しすぎず、この構成比を維持することを意識した店作りにする」
--新店舗の売り上げ目標は
「改装後の既存店は通常は約15%増の計画でスタートするが、原宿店は初めての大々的な改装なので、売り場面積当たり約20%増を目指したい」
--東日本大震災の影響は
「一部では残っているが、4月以降に全体では震災前に戻り、前年実績をクリアしている。仙台店は逆に売り上げが平均で4割アップした。早めに営業を再開し、癒やし的なものへの需要が集中したためだろう」
--業績アップの秘訣(ひけつ)は
「社員教育に力を入れ、魅力ある店作りに取り組み、お客さま満足度を高めてきた成果だが、まだ不十分。例えば『笑顔であいさつを』と指導しても徹底していない。定価販売のビジネスなので接客はもちろん、店作り、品ぞろえ、陳列などの運営力のレベルをさらに上げたい」
--新規事業や海外戦略は
「ここ5年はタネをまき、いろいろ実験をして足がかりを築きたい。現ビジネスの周辺事業を立ち上げたり、海外も視野に入れないといけない。ただ、海外では人気キャラクターのライセンスが既に他社に許諾済みで、商品を調達できない事態もある。どうすれば進出できるのか、構想を練っている段階だ」
--経営の数値目標は
「3年後に、今は1.5%程度の売上高営業利益率を3~4%に引き上げ、現在は120億円程度の売上高を150億円にしたい。お客さま目線で取り組むとともに、当面の柱に位置づけるキャラクターの専門店化が成功のキーワードになる」(村山雅弥)
◇【会社概要】キデイランド
▽所在地=東京都台東区鳥越1-8-2 ((電)03・5822・3520)
▽創業=1946年7月、埼玉・秩父で書店としてスタート
▽資本金=1億円
▽従業員数=590人
▽事業内容=玩具、キャラクターグッズ、書籍の販売。78店(直営50店)の「キデイランド」をはじめ「スヌーピータウンショップ」や「リラックマストア」「キャラパーク」などを展開
【プロフィル】荘司征男
しょうじ・ゆきお 愛知工業大卒、1971年タカラ(現タカラトミー)入社。99年タカラアミューズメント社長、2004年服部玩具顧問、05年トイズユニオン社長を経て、07年5月から現職。66歳。神奈川県出身。
「フジサンケイビジネスアイ」