CLINKSの専門社員が24時間常駐し、企業のIT機器の遠隔監視サポートを行う。低コストのため中小企業への導入を図る
■CLINKSがITシステム運用監視サービス
IT系アウトソーシングと携帯アプリケーション開発のCLINKS(クリンクス、東京都中央区)は、月額5万円からと低額で企業のITシステムを24時間運用監視するサービスを本格的に開始した。企業のIT管理者などに代わり、同社専門社員が本社内のリモート運用ルームに24時間、365日常駐し、提携企業のサーバーや障害の有無などを遠隔監視するほか、機器の定期点検など総合的なサービス提供を行う。
同社は従来、大手企業向けのシステム運用監視の受託などで培った多くのノウハウを活用し、中小企業向けに汎用(はんよう)性のあるサービスメニュー構成にすることで、ゼロからシステムを構築、運用するよりも大幅な低価格化につなげた。
提供する「ITーGuardサービス」は、サーバーやネットワーク機器が5台までで、不正アクセスチェックなどを遠隔監視することに加え、月1回のハードウエアチェックや作業報告書の作成などを含め、月額5万円程度から対応できるとしている。自社社員に同様の仕事をしてもらうのに比べ、人件費などの面で大幅なコストダウンにつながるとしている。
中小企業などでは、社内のシステム担当者やITスキルの高い社員にシステムのトラブル対応などをすべて任せている事例が多いが、担当社員の負担が多い現状を改善したいとの思いから、サービスを提供するに至った。
実際に、特定の社員に任せっきりにすることで、情報漏洩(ろうえい)などセキュリティー面で問題が発生する可能性があるほか、本業に専念できないといった問題意識を持つ企業経営者も多く、今回の新サービスへの需要は多いとみている。
「かゆいところに手が届くサービスを提供することで、結果的に効率的なITシステムの運用につながるよう、お手伝いしたい」(片岡毅・コンサルティングチームマネージャー)としている。
将来的には、監視業務にとどまらず、例えばパソコンのデスクトップ上のデータ整理といった基本的な動作でのつまずきにも対応するなど、より利用者視点に立ったサービス内容に拡充していく考えだ。
河原浩介代表取締役は「事業自体始まったばかりで、まさにこれから需要を掘り起こしていく。初年度100社との契約を目標にしたい」と意欲をみせる。(那須慎一)
「フジサンケイビジネスアイ」