文化社がネットで販売するのぼり。より多くのデザイナーと契約できる態勢をつくり、差別化を推進する
■豊富なデザインで多様化に対応
スクリーン印刷の文化社(岐阜市)は、TufeCompany(タフェカンパニー、東京都杉並区)が運営していたイラスト・ひな形を無料でダウンロードできるポータルサイト「素材ラボ」を買収した。同サイトは約2万9000点を抱える無料素材の大手で、約90人のイラストレーターやデザイナーが登録している。文化社はネット通販で看板やのぼり、ビニール幕を販売する「看板ショップ」を運営している。デザイナーとの交流機会が増えて発注先が多様化することになるため、「コンテンツ面での差別化を推進し受注活動を有利に進めていく」(近藤浩史社長)考えだ。
買収価格は1000万円。タフェカンパニーから1年間指導してもらうための料金も含まれており、ネット通販事業の進め方や、広告収入に関するアドバイスなども受ける。
素材ラボには月間15万人が訪れ、広告収入は同22万円程度だが、今後1年でそれぞれ2倍に増やす計画。また、看板ショップには月6万~7万件のアクセスがあるが、素材ラボとの連動によって1年後には8万件超まで増やす。タフェカンパニーは、仮想現実(VR)やドローン映像事業などに特化していく。
素材ラボは、イラストレーターらが無料素材をアップするとポイントが付与され、そのポイント数に応じて製作料が支払われる仕組み。
一方、文化社の売り上げに占める看板ショップの比率は4割。近藤社長は「これからはデザインの中身が勝負の決め手」といった見解を示し、今回の買収を機に攻勢をかけていく考え。また、「入居者募集」といった不動産会社の看板も手掛けているため、今回のルートを活用しユニークな看板づくりも進めていく。
「フジサンケイビジネスアイ」