射出成型用の金型。3回監視によって何も残っていない状態をチェックし、成形品の質向上につなげる
ウシオライティング(東京都中央区)は、プラスチックの射出成型工程で使用される金型監視装置に、3回にわたって監視を行う機能を導入した。これまでは2回だったが、金属と樹脂の一体成型へのニーズが高まっているのに対応。金型の監視プロセスを1回増やすことによって品質向上につながる点をユーザーに訴求し、装置の拡販につなげていく考えだ。
従来の金型監視では成型が完了し、型が開いた後に成形品の良否判定と、出来上がった成形品を突き出した後の落下確認といったニーズに、2回の監視機能を提供してきた。
さらに後工程の効率化などを目的に、金型にピンなど金属部品を投入して樹脂と一体化するインサート成型や、筆記具をはじめとする2色成型などの需要が増加。「より綿密な監視体制が求められている」(プラスチック営業課の小森谷輝夫・技術・品質保証リーダー)という。
このため成形品の金型の中に何か残っているかどうかもチェックできる3回監視機能を業界で初めて付加し、とくに電子部品や自動車部品、電装品といった成型プロセスの監視をより高度に行うことが可能になった。
金型監視装置は、金型の破損や不良品の流出を防ぐ役割を目的に導入されている。新たな機能を付加した装置は「PLUS-E PE-600」。本体に拡張性を持たせ、搭載ソフトウエアに改良を加えることで3回監視を実現した。新規購入もしくは使用中の機種にもオプションとして対応できる。
同社は金型監視装置の大手。縦型の射出成型機を中心に電子部品などのインサート成型に対する需要が高まっているため、今回の新機能付加を機に販売攻勢をかけていく。
「フジサンケイビジネスアイ」