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地方発知の戦略・神奈川県 “川崎モデル”からの新展開に注目

公益財団法人川崎市産業振興財団 掲載日:2017年9月1日

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知財関連資料・情報がそろう神奈川県立川崎図書館。2018年5月に現在の川崎市川崎区から高津区のかながわサイエンスパークへ移転し、新たにものづくり技術の支援をコンセプトとして打ち出す

各地域の企業、大学、地方公共団体などによる活性化戦略の一端を知財の視点から随時、リポートする「地方発知の戦略」。今回は神奈川県を取り上げる。

神奈川県は大企業や研究拠点が集まり、2015年の国内特許出願は年間1万5152件で全国4位。発明推進協会によると、15年特許公報の筆頭出願人地域別件数は、川崎市6703件、横浜市4532件と2市が同県の4分の3を占め、競っている。

知財面での最大の特徴は積極的な特許活用支援政策にある。地域の産学と金融機関との連携で大企業の特許・技術を中小企業の事業創出につなげる「知財ビジネスマッチング」施策は10年前、川崎市で開発された。「“川崎モデル”として知られ、関係者が足で稼ぎ、担当者が異動しても継承することが重要」と話す川崎市産業振興財団の安島慎吾氏。地方創生で県外自治体や金融機関の講演要請も増え、同モデルは全国へ拡大しつつある。

横浜市は中小企業の知財経営活動に着目し、10年前に格付け制度「横浜価値組企業」を開始、11年度から「横浜知財みらい企業」支援事業に衣替えした。知財を保有して知財経営活動を進める将来性ある企業を評価・認定し、コンサルティングをはじめ金融や販路開拓などの支援を続けている。16年度の認定企業は92社に上る。

県内中小企業支援に地元大企業の立場から十数年携わってきた吾妻勝浩氏(現・監査法人トーマツ)は、中小企業の知財活用は新展開の時期にきているという。「例えば神奈川県には大企業に通用する特許を持った中小企業が多数ある。横浜知財みらい企業の半分以上は該当する」とし、今後は中小企業から大企業への特許ライセンスの可能性を指摘する。いわば“逆川崎モデル”だ。

一方、県も負けてはいない。県立川崎図書館は「企業経営者や技術者のために産業や科学技術の資料・情報を提供する工業図書館」(森谷芳浩・産業情報課課長)だ。図書26万冊、雑誌8700タイトルを所蔵、知財関連図書5000冊、社史1万8000冊、技報・広報誌900タイトルを誇る。商用特許データベース「JP-NET」、科学技術文献データベース「JDreamIII」の端末を各1台、特許庁特許情報サービス「J-PlatPat」が閲覧できるパソコン10台など他に例のない充実ぶりだ。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

「フジサンケイビジネスアイ」

 
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