人材派遣大手のパソナグループは12日、東日本大震災で被災した農業従事者を兵庫県・淡路島にある自社農園に「講師」として招くとともに、仙台に設立を予定している事務センターに被災者を採用し、計約90人を雇用する計画を明らかにした。
パソナグループは淡路島に持つ10ヘクタールの自社農園で、音楽や演劇など芸術分野での活躍を志す若者約100人を雇用し、就農やビジネス関連の研修を行っている。研修の講師として新たに被災地の農業従事者を約20人採用し、作物の育て方から加工技術までの指導を依頼する方針。
近く募集を始めるが、雇用期間は短期から長期まで、本人の希望に応じて柔軟に対応する。パソナグループの南部靖之代表は「福島第1原子力発電所の避難区域内に田畑があり、当面は戻れそうにない方は淡路島に移住してもらってもいい」と話す。
また、パソナグループはリスク分散のため東京の本部機能の一部を大阪と仙台に移し、コールセンターと事務センターの設立を計画しており、このうち仙台では被災者を70人ほど雇用する。
採用者は、準備が先行している大阪で研修を受けた後、仙台で勤務する段取りという。