「遊漁券オンライン販売システム」のスマートフォン画面
オクター(福井県坂井市)は川釣りを楽しむ人向けに、スマートフォンやタブレット端末で遊漁券を購入できるアプリ「フィッシュパス」の提供を開始した。
官公庁の調べによると、川釣り人口171万人に対して遊漁券の売り上げは年間48億円。同社が福井県内の4漁業協同組合関係者63人にヒアリングしたところ、約3割の釣り人が「朝早くから売っている場所がない」「買う場所がわからない」などの理由から遊漁券を購入せず釣りをしている実態が明らかになった。この結果から遊漁券の未購入による損失額は、福井県だけでも年間数千万円になるという。
「フィッシュパス」は衛星利用測位システム(GPS)により、遊漁券購入者の位置を確認できるので、巡回中に未購入者を発見しやすいだけでなく、急な増水時の安否確認など防災システムとしても活用できる。また、魚育成区間など釣り禁止ゾーンへの立ち入りを防ぎ、河川の環境保全にも役立つと地元漁協は期待している。
今後は、提携漁協を増やしながら、地元のレストランやホテルなどの地域広告や釣り具メーカーとの提携による収入も視野に入れ、5年で100万ユーザーを獲得し、売り上げは12億円、最終利益は2億円を目指すという。
「フジサンケイビジネスアイ」