未来を開く　西武信用金庫＜18＞　支店長に聞く

取引先から「ありがとう」と言われるような存在に
府中支店

田加井　淳支店長

全７２支店中、７０番目の支店と)%>して昨年２月に開業しました。府中市内全域とその近隣が営業エリアです。多摩川沿)%>いに製造業が集積していることから、取引先としては製造業を主体にサービス業などが多いです。このため、事業支援案件でもＭ＆Ａ（企業の合併・吸収）や各種補助金申請の支援が中心で、昨年夏には取引先の運送会社と福生支店の取引先である自動車整備工場とのＭ＆Ａをサポートしました。取引先に対して、資金ニーズの相談時にＭ＆Ａの提案もしています。創業支援も積極的に展開しており、税理士や取引先からの紹介などをもとに、専門家派遣による創業支援補助金申請のアドバイスや事業計画作成なども支援しています。

律令時代に武蔵国の国府が置かれ、江戸時代には甲州街道の宿場の中でも大きな「府中宿」が置かれていた府中市は、歴史が古いこともあって大地主も多く、相続税対策の相談も相当数あります。相続額も莫大で、借り換えや個人資産の資産管理会社への移動、リバースモーゲージの活用などによる相続税対策を行っています。一方で、近年は高層マンションの建設を背景に人口が増加し、また、「府中駅南口市街地再開発事業計画Ａ地区」の開発が７月に完了し、新たな街として生まれ変わります。こうした機会をとられビジネス拡大につなげていく考えで、その一環として地域産業応援資金を通じて「府中市商工まつり」に参加し、地域貢献にも積極的に取り組んでいます。

府中市周辺を営業エリアとする金融機関としては後発なので、他の金融機関と違うサービスに力を入れていきます。例えば、それまでのメインバンクで扱ってもらえなかった案件でも、企業状況を詳細に分析したうえで希望に添える提案をしていきたいと思っています。金融機関として取引先に「ありがとうございました」を言うのは当たり前ですが、取引先から「ありがとう」と言われるような存在になることを目指していきます。

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【取引先紹介】

斉藤レッカー

事故や故障車両のレッカーサービスを展開している。中央自動車道（中央高速）の高井戸―上野原間、首都圏中央連絡自動車道（圏央道）のあきる野ー相模原間など、本社から半径１５㌔以内が主業務範囲。自動車修理工場を源流として２００９年３月に創業した。

米製レッカー車の導入などで、ローダウン車や車幅の広い車などさまざまな車両のレッカーサービスができるのが特徴。近年、自動車保険のロードサービス特約などを背景にレッカーサービスの利用が増えている中、出動率や接客、作業時間、料金など、業界内でも高い評価を得ている。

多彩なニーズに対応するため、現在、増車やスタッフの増員を計画。また、組織固めや人的資源管理体制の構築にも乗り出している。働き方改革にも着手している。このため、西武信用金庫には中小企業診断士による事業診断をはじめ、社会保険労務士や行政書士により就業規則・給与体系の整備で支援を受けている。

代表取締役　米山秀樹氏

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ＮＫＬ

映画やテレビ、ＣＭなどの特殊撮影技術事業が主軸。映像関連のすべてのジャンルを手掛けているのが特徴で、クレーンを使った撮影機器の提供などとともに特機オペレーターも派遣する。関連会社２社が２０１１年に合併し、現社名で新スタートを切った。特殊撮影に使用する多くの機器類を保有し、機器類は同業他社にもレンタルしている。映画やマイクロフィルム、ビデオテープなど各種映像物の制作、出版、販売や撮影用機器の輸出入・販売なども展開、雑誌の企画編集、出版・販売、日用品や衣類の販売なども手掛ける。

事業拡大に向けて、特機オペレーターと営業職の増員を計画。中でも特機オペレーターは５年後に現在の３０人から倍増する予定。

西武信用金庫とは府中支店が開業する前に、立川南口支店に準備室が設置されていた頃からの取引。機器の購入資金のほか、人材育成をはじめとする会社全体のコンサルティングで専門家派遣を受けている。

代表取締役　軽部進一氏

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「羽村市創業支援ネットワーク」の構築を支援
羽村支店

佐藤元信支店長

当支店は、ＪＲ青梅線の羽村駅から徒歩３分のところに位置し、開業６６年目という歴史ある店舗です。日野自動車羽村工場を中心に工業地域があることから、製造業が多いのが特徴です。顧客には取引期間が３０年以上という企業や個人をはじめ、中には５０年以上という取引先もあります。

事業支援案件としては、設備資金や運転資金のニーズが中心ですが、各種補助金申請に向けた専門家派遣やビジネスマッチングサポート、自社株評価、事業承継に関する提案も積極的に展開しており、昨年度は補助金採択で３件の実績があります。労務相談による労務規約や就業規則の策定で社会保険労務士の紹介も行っています。業務不振の会社に対しては、中小企業再生支援協議会を通した支援も行っています。一方、資産家層からは相続対策ニーズが増えており、税理士や不動産鑑定士と連携し法人化へのスキーム提案をはじめ、遺言信託などの信託相談も提案から成約へとつながっているケースが多くなっています。

１９９１年に市制施行された羽村市は、２０１０年の約５万７０００人をピークに人口減少が続いており、地域活性化は喫緊の課題です。このため、当金庫と羽村市で「地域産業振興懇談会」を実施し、市内に支店を置く全金融機関、近隣の産業支援機関、産業団体が集まり「羽村市創業支援ネットワーク」の構築を支援しました。羽村市や羽村市商工会と協力して、創業相談会や創業セミナーなども開催しています。羽村市にはこれまで小児科病院がありませんでしたが、創業支援活動の一環として小児科を誘致し、土地の紹介から病院建設までを支援しました。このほかにも、「まち・ひと・しごと創生計画」の策定に関わり、懇談会の委員を委嘱されて地域連携にも積極的に関わっています。さらに、「にぎわい音楽祭」や「イルミネーション祭り」など、地元イベントにも積極的に協力し、若手経営者の育成や商店街の活性化に努めています。

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【取引先紹介】

理学相原精機

業務用機械器具製造が主力。工業用Ｘ線装置の部品加工から組立、配線、設計のほか、電子線を応用した計測器・分析装置の周辺機器などの受託製造を行っている。創業は１９６３年で、来年５５周年を迎える。製造している部品や機器の市場は主に研究用に使用されるため、景気の波は受けにくく安定している半面、限られた需要の奪い合いという中でアプリケーションのノウハウを軸に成長を遂げてきた。

とはいえ、他業種からの参入も多く、新たな収益の柱として防水試験装置の自社開発、製造・販売を開始した。７３年には防水試験装置事業を切り離して「ハムロンテック」という別会社を設立した。近年では主力の自動車業界以外のマーケットも拡大している。２０１３年の創業５０年を機に、新規事業として防災倉庫事業にも乗り出した。

西武信用金庫とは創業間もない頃からの取引。補助金申請のほか、新規事業のＰＲ活動や販路開拓で支援を受けている。

代表取締役　相原章彦氏

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山城精密

航空機向け精密板金組立加工のほか、工作機械部品加工、プレス金型加工を展開している。創業は１９７３年。付加価値の向上に向け部品加工だけでなく製品組立にも乗り出し、現在では艦艇エンジンの組立も行っている。このほか、アルミやステンレスなどの溶接や塗装、めっき処理、シルク印刷なども手掛けている。昨年１２月に本社敷地内に建設していた第２工場（敷地面積約２３０平方㍍）が稼働した。女性社員を積極的に採用しており、工場内では３人の技術者が働いている。

将来成長を見据えて、現在、取引先の拡大による売上の安定とリスク分散に取り組んでいるほか、さらなる高精度化の追求による技術力の向上に努めている。さらに工程内検査の実施による時間ロスの防止を強化している。

西武信用金庫とは創業以来の取引。工場建設資金の融資や補助金申請での支援のほか、財務体質の強化に向けて西武しんきんキャピタルから投資も受けている。

代表取締役　小野寺誠氏 　

「フジサンケイビジネスアイ」