アクティブシニア向けのフィットネスクラブ「スマートタイムズ」。セミナーや旅行など趣味に関するプログラムも提供する=東京・目黒
■インターネットインフィニティー
リハビリ型デイサービスを全国で運営するインターネットインフィニティーは、元気に活動している中高年である「アクティブシニア」を対象にした事業に着手する。デイサービスで培った要介護者向けの運動指導ノウハウを生かしたフィットネスクラブを多店舗展開し、カルチャースクールなどのプログラムも合わせて提供することで、きめ細かくニーズに応える。高齢者のうち8割強はアクティブシニアで占められていることから、5年後にはアクティブシニア向け事業を売上高の5割以上に成長させる考えだ。
アクティブシニア向けフィットネスクラブ「スマートタイムズ」は、昨年8月から東京・目黒の約100平方メートルの店舗で試験運用を始めている。同社の主力である要介護者向け事業で行っている運動プログラムを応用した。科学的根拠に基づいて専門家と共同開発し、利用者一人一人の状態に合わせ、目標やテーマを設定してトレーナーがサポートしながら健康づくりを支援する。
さらに運動だけでなくセミナーや旅行など、趣味に関するプログラムも合わせて提供している。目黒の店舗について、別宮圭一社長は「会員は生き生きと元気に活動している。今後の店舗展開への手応えを感じている」と期待を込めている。
厚生労働省などによると、健康志向が強く、旅行やウオーキング、趣味などを楽しむ活動的なアクティブシニア人口は、2020年に約3000万人と推計される。
一方、経済産業省によるとフィットネスクラブ会員の年齢構成は、60歳以上の比率が年々上昇傾向にあり、26年には3割を超えると予想している。ただ、シニア向けプログラムなどのニーズに応えきれていないことから、入会しても継続して通わない、いわゆる幽霊会員が多数いるとみられている。
このため、既存のフィットネスクラブに飽き足らないアクティブシニアのニーズを取り込んで事業を強化する。結果的に健康寿命を延ばし、国全体の医療費や介護費の削減にも貢献できるとみている。
「フジサンケイビジネスアイ」