決済サービスなどを提供するベンチャー企業、コイニー(東京都渋谷区)は、中小企業に対する決済システム導入支援で西武信用金庫(同中野区)と提携した。コイニーが信用金庫と提携するのはこれが初めて。
「コイニー」の導入支援を発表するコイニーの佐俣奈緒子社長(左)と西武信用金庫の落合寛司理事長=19日、東京都中野区の西武信用金庫本店
西武信用金庫は今後、72カ所の本支店を通じコイニーが展開しているスマートフォンやタブレット端末を使ったクレジット決済サービス「コイニー」の導入を取引先企業などに促し、クレジットカード決済環境を整備することにしている。
日本では、中小の商店や飲食店などを中心にクレジットカードが使えないところも多い。この背景には、端末機器やサービス手数料が高い、といった事情があるとみられている。
しかし、中小企業がこうした環境を整えることにより、増加する外国人訪日観光客の取り込みや売り上げデータに基づく成長戦略の立案などが可能になるといったメリットがある。
外国人観光客はカードでの決済を基本としており、カードが使えない店舗や飲食店などは利用されにくい。外国人観光客は、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けまだまだ増加する見通しだ。
このため、西武信金は安価で利用できるコイニーのシステムを特に中小事業者に推奨。その導入を支援することで、取引先のインバウンド需要獲得や経営の高度化、効率化を促す。
コイニーの最大の特徴は、どこでも簡単に低コストでクレジットカード決済ができる点であり、設備投資に二の足を踏む企業でも導入しやすいとみられる。
「フジサンケイビジネスアイ」