当支店は、東京・八王子市楢原町を中心に、宮下町、中野町、八王子インターチェンジ、高尾駅周辺までを営業エリアにしています。顧客は個人層が多いのが特徴で、このため貸出先も住宅ローンを中心に個人層が過半数を占めています。顧客の中には、高齢者も多く年金相談も多くあります。支店開設から35年以上が経ち、付き合いの長い取引先が多くメーン化率も高いです。
営業エリア全体を見ると個人マーケット色が強いですが、マンションも含めて高層建物が少ない一方で、病院・福祉施設、外食産業、カーディーラー、スーパー、コンビニエンスストアなどの生活インフラは整備されており、また、創価大学や工学院大学のキャンパス、賃貸アパート、中小製造業なども混在し、バランスのとれたマーケットであることから、特定の業界・業種に特化することなく、まんべんなくコツコツと地道な営業活動を展開しています。学生は学校周辺よりも利便性の良い駅近くに賃貸物件を借りることが多くなっており、大学とパイプがある不動産管理事業者の仲介なども行っています。
事業支援案件では、補助金申請のサポートをはじめ、営業力や事業承継をテーマにした専門家派遣、賃貸物件の空室対策、遊休資産の売却などが多くなっています。国の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」(通称・ものづくり補助金)については内容拡充を図り、自動車整備事業者への支援を実施して採択されました。
ものづくり補助金だけでなく、ハードルは高いものの採択されれば大きなビジネスチャンスにつながる国や都の制度についての情報提供や活用支援なども強化しています。こうしたハードルが高く採択数の少ない補助金制度へのエントリーや獲得に向けて「首都圏産業活性化協会」(通称・TAMA産業活性化協会)やTAMA―TLOとの連携コーディネートも行っています。
東京都八王子市楢原町629―1
☎042・626・7911
【取引先紹介】
シルバービレッジ
代表取締役会長 石井征二氏
東京・八王子市と日野市で4カ所の有料老人ホームを運営している。昨年30周年を迎えた。今年4月には雑誌の「老人ホームランキング」で、「シルバービレッジ日野」が東京都の介護型482施設の中で2年連続1位に輝いた。 4カ所あわせた入居者数は約300人。入居率は95%以上を誇っており、開業以来、黒字経営を続けている。「笑顔とまごころで、ゆったりと安心の毎日を」をモットーに、接遇に力を入れており、また、職員の離職率が低いことが大きな信用を得ている。ケアマネジャーや介護福祉士の資格取得者には報奨金などが支給される。
開業からの「シルバービレッジ八王子」が施設老朽化などを理由に、現在の場所に移転。西武信用金庫が土地建築業者の紹介と新施設建設資金の融資を担当した。また、経営基盤の強化に向けて給与モデルの構築などでも西武信金が協力している。
▷本社=東京都八王子市暁町1-47-1
▷代表取締役会長 石井征二氏
☎042・627・0432
信農精機製作所
代表取締役社長 倉田隆氏
カーエアコン用コンプレッサー部品を主体に、複写機やプリンターのシャフト、血液分析機器などの精密部品切削加工を手掛けている。大手メーカーの海外展開で同業他社が海外進出する中、海外製の低価格品に対抗するために事業構造改革を進めている。その一つが、これまでの少品種多量生産から多品種少量生産への転換。少量ながら受注する製品の品種が広がり難加工も多くなれば、収益向上に寄与するためだ。現在、営業部門は多品種のセットメーカーへの新規開拓に力を入れており、製造部門はこれまでに経験したことない部材や少ない材質の加工にチャレンジしている。
創業後の厳しい時期に事業支援を受けたのを機に西武信用金庫との取引がスタートした。今回の事業改革を進めるにあたり、新たな設備導入に向けた補助金申請で専門家派遣のサポートをうけた。
▷本社=東京都八王子市下恩方町308-24
▷代表取締役社長 倉田隆氏氏
☎042・652・1501
<西武信用金庫>
▷創業=1939年
▷店舗数=本店を含め72店舗
▷従業員数=1164人
▷貸出総額=1兆2500億円
▷預金総額=1兆6436億円(2016年3月末現在)
伊藤 茂樹支店長
東京・瑞穂町を中心に、羽村市と青梅市の一部と埼玉県入間市との境界までが営業エリアです。ただ、そのうち約4分の1は農業振興地域として土地活用に制限が設けられています。
支店がある瑞穂町長岡という地区と隣接する羽村市には製造業の工場が多く集積していますが、企業規模では従業員30人未満、年商5億円未満の中小規模企業が8割を占めています。このため貸出金の構成は、約4割が製造業で不動産賃貸業が6%となっており、当金庫全体で見た場合の構成比と全く逆となっているのが特徴です。
事業支援としては各種補助金申請に関する専門家派遣が多く、採択率は約7割となっています。専門家の派遣による申請書類のアドバイスとともに、どういう補助金があって、その場合は何をいつまでに提出するかなど、情報の早さで他行との差別化を図っています。
また、事業者のマッチングも積極的にサポートしており、電力料金を削減するノウハウをもつ会社と金型製造業、経費の総合的な見直しによる経費削減策を提案する企業と介護施設のマッチングなどを実現しました。金型製造業と介護施設はいずれも当支店の顧客ですが、マッチング相手は他支店の取引先です。顧客にとって課題解決に役立つことであれば、支店間協力も積極的に行っています。
営業エリア内の製造業は優秀な技術はもっているものの、受注ロットの減少や納期の短縮化への対応が課題になっています。このため、補助金活用による高効率設備の導入での対応を支援しています。また、人材の確保も大きな課題で、東京工科大学が実施している就業体験(コーオプ実習)への紹介も行っています。今後も製造業を中心とした課題解決型の営業を推進していきますが、そのためにも新規取引先やメイン取引先の開拓に力を注いでいます。
東京都瑞穂町長岡2―3―1
☎042・557・2212
【取引先紹介】
サンテック
代表取締役社長 日野榮氏
ダイシングソーという切断機械を使って半導体用シリコンや光学ガラスなど、金属素材以外のダイシング加工を主事業としている。このほかにも、切削や研磨加工、試作・開発・研究用少量品の製作受託も行っている。これまでの経験とノウハウから、加工品と切断機械に使う砥石、ダイシング用テープの最適な組み合わせによって高品質加工を実現している。
創業以来、「一切ことわることはしない」という考えのもと、ウエハー一枚、チップ一個からでも受注するなど、「切る」スペシャリストとしてあらゆるニーズに対応している。最近では、これまで型抜きが一般的だったシートはんだのダイシング加工も手掛けている。 顧客のさまざまな要望に応えるため、設備投資や研究開発に関する補助金申請で西武信用金庫から専門家を派遣してもらった。また、売上減少への対応などで経営技術士による経営相談・技術相談でのサポートも受けた。
▷本社=東京都瑞穂町長岡2-1-10
▷代表取締役社長 日野榮氏
☎042・557・7744
富山
代表取締役 富山昌彦氏氏
医療機器やATM(現金自動預け払い機)、インクジェットプリンター用部品の精密板金加工が主力。中国の深圳市や蘇州市にも工場を所有している。1959年に東京・三鷹市で創業し、82年に現在の瑞穂町長岡に工場を新設、本社も移転した。現在、生産性改善活動を進めており、これまで手動だった一部工程へのロボット導入などを計画している。また、人材の増強にも力を入れており、新卒・中途の採用を積極的に進めている。
大手の海外進出に伴い、国内での受注が減少して売上が急激に落ち込んだ時期に、融資などを含めて西武信用金庫から支援をうけた。以来、20年以上の取引があり、昨年は補助金申請での専門家派遣などによって、加工機や複合機の導入が実現した。来年10月のISO(国際標準化機構)の9000シリーズ(品質マネジメントシステム)の取得に向けたサポートも受けている。
▷本社=東京都瑞穂町長岡2-2-2
▷代表取締役 富山昌彦氏
☎042・556・3390
「フジサンケイビジネスアイ」