よみうりランド・水井信吾氏
遊園地「よみうりランド」(東京都稲城市)の安全管理部で、乗り物の点検や修理を担当している。
開園前の早朝や閉園後の夜間、休園日に40種類以上の乗り物を一つ一つ点検する。「故障や修理でお客さまが目当ての乗り物に乗れないことがないように、隅々まで目を光らせる」
人気のジェットコースター「バンデット」のレールは、最高地点が地上約51メートルの高さ。レールの点検、修理では事故がないように安全帯を身につけてレール横の階段を上る。幅は約50センチしかない。風が強いと階段は揺れ、冬は手が凍えて思い通りに動かなくなる。「何度上っても怖いと感じる」
レールは長時間コースターのタイヤが当たると、すり減って事故が起きやすくなる。レールは幅が適正か、雨でさびてもろくなっていないか、などの点を特に注意してチェックする。ねじの緩みも危険だ。ハンマーでたたき、ねじが確実に止まっているか確認する。
観覧車の部品点検でも高い所に上る。また、高さ約60メートルまで急上昇して急降下する「クレージーヒュー・ストン」は「ワイヤの強度が保たれているかじっくり調べる」。慎重な姿勢が安全と、楽しさを担保している。
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【プロフィル】
水井信吾みずい・しんご ロボットが好きで、法政大学工学部で機械工学を学んだ。卒業後の2010年、よみうりランド入社。休日の野球観戦が趣味。29歳。神奈川県出身。
「フジサンケイビジネスアイ」