田村 康彦執行役員、支店長
情報・流行発信地の東京・原宿。ブランドショップや飲食店が軒を並べる表参道のほぼ中心地にあるのが当支店です。渋谷区神宮前と港区北青山、南青山という、アパレルや雑貨店が多い地区を営業エリアに１９人でカバーしています。若手経営者による交流組織「西武ニューリーダーズクラブ２１」というのが各支店にありますが、当支店はその構成年齢が若いのが特徴で、取引先の経営者も２０～３０代が圧倒的です。
取引先の９割が法人で、業種としてはアパレルなどの小売業や美容院などのサービス業が８割を占め、不動産売買・賃貸業が２割です。ただ、取引金額でみると不動産売買・賃貸業が８割、小売業・サービス業が２割と逆転します。事業支援/資産形成・管理支援活動としては、不動産賃貸業は税務・財務・法務相談や事業承継、小売・卸売業は販路開拓に向けた海外進出やインバウンド対応関連が多いです。
「原宿」というネームバリューを生かして、ユニークな商品の企画や新しい発想をもとにこの地区でビジネス展開を考える企業は多いのですが、ネットワークをもっていないと進出するのは厳しいのが現状です。そのため不動産賃貸業の事業支援を通してネットワークを構築することで、企業進出の後押しをしています。地価が高いこの地区では、不動産賃貸業に対する租税負担が課題となっていますので、ビルオーナーのキャッシュフローをさらに良化して企業の体力アップを図ることなどを目的に、財務コンサルティングの派遣や収益改善策の提案などを行っています。
一方、参入してくる企業は創業間もない‶アーリーステージ企業〟や成長過程の企業が多いです。販路拡大や海外進出、助成金や補助金申請に関する専門家の派遣だけでなく、ネットワークを活用した取引先企業のマッチングも行っています。 こうした企業が成長していけば不動産賃貸業にとっても安定的な収入の確保につながります。
東京都渋谷区神宮前６－１０－１１
原宿ソフィアビル５階
☎03・3479・1111
【取引先紹介】
生活の木
代表取締役社長 重永 忠氏
ハーブ、アロマ関連商品の製造・販売、アロマテラピーサロンの運営などを展開し、小売り店舗「生活の木」は２０１６年９月現在、国内に１２０を数える。アサイー、チアシードなど「スーパーフード」と呼ばれる穀物、種子類の品数が増えている。
社員数は約７５０人、うち約９割が女性。同社商品のファンだった層が社員になるケースも多く、顧客ニーズにきめ細かく対応できることを強みとしている。
西武信用金庫との取引は４０年におよぶ。スリランカで「ネイチャーリゾート」をうたうホテル事業も展開しており、日本をはじめ欧米からの宿泊客の増加に対応し、ホテル設備拡充のため、子会社「TREE OF LIFE(PRIVATE)LIMITED」に西武信用金庫より直接融資を受け、２０１７年秋の完成予定で工事が始まっている。設備拡充後、ホテルグレードが４つ星にアップする予定である。
▷本社＝東京都渋谷区神宮前6－3－8
▷代表取締役社長 重永 忠＝写真
▷☎03・3409・1781
ワンダーライン
代表取締役 西岡宏星氏
スマートフォンケースの製造や充電器の販売を展開している。おしゃれにこだわりを持つ女性をターゲットに、アパレルショップなどでの販売を主体とすることで競合他社との差別化を図っている。充電器は海外ブランドの輸入販売が主流だが、リップスティック型やパフュームボトル型など、そのデザイン性が話題を呼んでいる。さらに、「ポケモンＧＯ」など一部スマホソフトの爆発的な人気により、今年７―９月には受注が大幅に増加した。
昨年には安定した事業基盤の構築に向け、商品購入サイクルの短い消耗品に着目したペットケア用品事業に参入。犬の肉球用クリームやシャンプー、ネイルオイルなどを伊勢丹や阪急百貨店で販売している。西武信用金庫は国の補助金申請でのアドバイスのほか、海外事業のエージェント依頼、海外特許の取得などの専門家派遣で協力した。
▷本社＝東京都港区南青山6－10－9
▷代表取締役 西岡宏星氏＝写真
☎03・3401・1888
<西武信用金庫>
▷創業=１９３９年
▷店舗数=本店を含め７２店舗
▷従業員数=１１６４人
▷貸出総額=１兆２５００億円
▷預金総額=１兆６４３６億円（２０１６年３月末現在）
平井 真史支店長
当支店は、東京と埼玉を結ぶ西武新宿線の新井薬師前駅から徒歩一分という、地域住民にとって利用しやすい場所に位置しています。中野区上高田・松が丘全域と新井４・５丁目を営業エリアに、職員１６人（パート・派遣社員含む）が地元企業や地域住民に対してさまざまなサポートを行っています。今年、支店開設５０周年を迎え、顧客などで組織している「薬師西武会」を中心に記念イベントを７月に実施しました。
営業エリア内は、商店街のほか、一般住宅やアパート・小規模マンションなどが混在し、賃貸住宅を所有している資産家が多いというのが特色です。このため、支店の預金先約１万１５５０件のうち賃貸不動産業と個人が６７％を占め、不動産を活用した資産形成や管理支援などに関する事業支援のほか、不動産を所有する個人向けには不動産管理法人の設立などを提案しています。また、個人ローンや創業支援をはじめ、創業補助金など公的施策の活用案件も増えており、創業支援策の一つとして支店の３階をインキュベーションオフィスとして提供しています。
当金庫は今年２月、目白大学・同短期大学部と包括連携・協力協定を締結しました。今後、地域や企業との連携を積極的に進めていく予定ですが、当支店の独自の取り組みとして、大学新聞に掲載する地元企業の紹介をはじめ、新商品のネーミングやモニター協力などで取引先企業に大学生を紹介したりしています。
この地域はかつて、新井薬師（新井山梅照院薬王寺）の門前町として賑わいを見せていましたが、近年は衰退傾向となっており地域活性化が大きな課題となっています。ただ、２０１４年１月に西武新宿線の連続立体交差事業（中井駅―野方駅間）が着工し、２０年をめどに地下化される新井薬師前駅一帯の再開発も予定されています。こうした地域再生プロジェクトに伴って、地域金融機関として魅力ある街づくりへの支援をさらに強化してきたいと考えています。
東京都中野区新井５－２９－１
☎03・3386・2181
【取引先紹介】
フジキン光来
代表取締役社長 佐藤光男氏
食品加工メーカーで、主力は冷凍・冷蔵食品の製造。「新宿光来」ブランドの鶏肉炒ＸＯ醤などを、コープネット事業連合などに納入している。伊勢丹子会社の伊勢丹プチモンドの食材加工部門を引き継ぐ形で１９９８年に創業した。本社工場（東京都中野区）と大森工場（同大田区）、千葉工場（千葉市若葉区）のほか、東京・新宿に飲食店をもっている。
創業以来、事業の好不調を繰り返しながら事業を継続してきたが、企業としての基盤整備や体質強化を図るため、約２年前に西武信用金庫のビジネスサポートを活用。専門家派遣をうけて財務改善を進めた結果、「企業改善５カ年計画」の半ばで業績が黒字転換した。新商品のネーミングでは目白大学短期大学部の学生の意見なども参考にしており、同短大との産学連携でも西武信金がパイプ役を担った。
▷本社＝東京都中野区沼袋２－３９－８
▷代表取締役社長 佐藤光男氏＝写真
☎03・5318・3433
七星科学研究所
代表取締役社長 鈴木芳久氏
電力会社やＪＲ向けを主体に少量多品種の製造に特化している産業用コネクタメーカー。創業は１９２７（昭和２）年で、来年９０周年を迎える。会社設立は１９４３年。以来、「一歩先の技術」「一歩高い品質」「一歩早く迅速なサービス」に取り組んでいる。コネクタのほかにもダイカスト鋳造や光通信機器の製造・販売も手掛ける。
ものづくりの海外シフトで国内マーケットの縮小が進む中、製品の高付加価値化や顧客の異なる要望にきめ細かく対応することで成長し、ダイカスト鋳造も多種多様な製造力で小ロットにも対応する。光通信機器は社内ベンチャーの成果として始めたもので、今後に大きな期待がかかる。 西武信用金庫とは９８年頃から取引がスタート。昨年、端子検査装置を導入にあたり、「ものづくり補助金」を申請する際にも西武信金が協力した。
▷本社＝東京都中野区上高田１－４９－１５
▷代表取締役社長 鈴木芳久氏＝写真
☎03・3386・3181
「フジサンケイビジネスアイ」
