凸版印刷が運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の利用者が順調に伸びている。スーパーなどが新聞の折り込みチラシに載せる特売情報を、スマートフォンの無料アプリで配信する。
スーパーの特売情報が掲載された「Shufoo!」のスマホ画面=東京都内のスーパー
子供の世話で朝が忙しく、チラシをゆっくり見ている時間のない主婦らが、手が空いたときにスマホでチェックできる。2001年にチラシをデジタル化して企業のホームページ向けに提供する事業として開始。5年前にアプリに転換した。
当初は約2万店だった掲載店数は、全国3100社、10万店超に拡大。スーパー、ドラッグストア、家電量販店、百貨店などさまざまだ。今年1月の月間閲覧件数は約2億7000万件。5年間で20倍に増えた。
「Shufoo!」の仕組みを使った外国人向けの日本の買い物情報画面
2年前から利用している東京都内の主婦、池戸智子さん(27)は、近所のスーパーの情報を比較したり、子供や自分の服のセールをチェックしたりしている。
「肉や野菜など、どの食材はどの店が安いかすぐに分かって便利。スマホのレシピサイトも見ながら、何を買うか決める。何となく食材を買って無駄にすることがなくなった」と話す。
3月からは、中国や台湾など現地の旅行サイトに日本の百貨店、家電量販店の買い物情報を提供する訪日外国人向けサービスを始めた。「日本のチラシを理解しやすい漢字文化圏の人に、訪日前に鮮度の高い情報を知ってもらえる」とメディアソリューション部の亀卦川篤部長。
さらに、培ってきたシステムとコンテンツを生かし、電力会社や自治体とも提携を進め、契約者や住民とのコミュニケーション手段として利用してもらう計画だ。亀卦川部長は「多彩な買い物情報をさまざまな形で届けることで、豊かな生活に役立ててもらいたい」と話す。
「フジサンケイビジネスアイ」