ソフトウェア開発のスプライン・ネットワーク(東京都渋谷区)は、東日本大震災の被災地復興支援の一環で、プリンターの印刷コストを削減できるソフトの無償提供に乗り出した。復興予算の捻出に苦慮する企業や自治体などの事務費節減を後押しする。
提供ソフトは「TonerSaver(トナーセーバー)」。東北を本拠地とする企業や自治体などが対象で、期間は1年間とした。
ソフトの特徴は、プリンターで紙の着色に使われるトナー(粉末インク)を効率的に消費できるようにする点だ。 利用の流れは、まずプリンターに接続したパソコンにソフトを導入する。
その上で、例えばパソコンから画像入りの会議資料をカラー印刷した場合、色の濃度を落とした状態に自動調整され、トナーを節約した印刷物が出力される。
トナーが減っても印刷の品質は維持され、仕上がりも通常印刷とほぼ変わらない。ソフトを用いない印刷との比較で、トナー消費量を最大で50%削減できるという。
トナーセーバーは2007年に販売を始めた同社主力商品で、約700社に導入実績がある。雪野洋一代表取締役は「継続的に支援を続けること」を重視し、1年間の支援策に踏み切った。