特集

新宿メンタルクリニック

日本人の3~7%が生涯にかかる可能性があり、国内で約100万人が苦しんでいるといわれるうつ病。名前は広く知られているわりに、病気の実態があまりよく理解されていない。うつ病をメーンに最先端の検査・治療に取り組む新宿メンタルクリニック アイランドタワーの川口佑院長に、うつ病の最新事情と治療に懸ける思いを聞いた

――うつ病とはどんな病気か

「抑うつ気分(憂うつ、気分の落ち込み)、喜べない、思考制止(思考の進み方が遅くなる)などの精神症状のほか、食欲不振や睡眠障害(寝つけない、夜中に何度も目を覚ます、朝早く起きてしまう)を始めとする身体症状も現れます。うつ病は大脳の機能の障害であって、よくいわれるような『怠け病』ではありません」

――うつ病の問題点は

「人事担当者の方はよくご存じだと思いますが、社員がうつ病を発症して休職し、いつ復職できるかわからない。あるいは、復職した社員がいつ再発して休職するかもわからないというように、企業がうつ病で休職した社員を抱えているケースは少なくないと思います」

「うつ病の辛いところは、本人だけでなく家族を始めとする周囲の人々にも大きな影響が生じること。うつ病の発症によって会社を休職したり退職せざるを得なくなり、経済的な損失が少なからず生じることが、うつ病の大きな問題点です。そこで当院では、うつ病に特化し、より確実に治療につなぐための取り組みに力を入れています」

――正式な医学用語ではないが「新型うつ病」もみられる

「私たちが診察・治療しているうつ病の新しいタイプでは、本人が表面的には〝うつ〟のように見えないケースが増えています。本人は、問診票にはあまり困っていないようなことを書いているのに、実際に診察してみると、自分が日々の生活の中で〝うつ〟にどれだけ困っているかを語るのです。一見して〝うつ〟のようには見えないために、いま自分が困ったり悩んだりしていることが周囲に伝わらず、結果的に〝壊れていく〟ことが少なくありません。中には、イライラや怒りの感情ばかりが目立ち、『悲しい、嬉しい、楽しいといった感情がよくわからない』という人もいます」

「逆に〝うつ〟のように見える人なら、周りも気付いて助けてあげることもできるでしょう。ところがこうした新しいタイプのうつ病では、気が付いたら本人が突然仕事に来られなくなった、という経過をたどることが少なくありません。このようなケースは、働き盛りのサラリーマンだけでなく、女性にも比較的多くみられます」

――最近の〝うつ〟のシグナルにはどんなものがあるか

「たとえば『頭が働かない』という訴えや、本人にイライラや怒りの感情が目立つこと。睡眠については『眠れない』というケースが典型的ですが、最近では『寝過ぎてしまう』、『朝起きるのが辛い』という訴えも多いですね。社員の遅刻や欠勤が増えてきた場合には、よく注意する必要があります」

「もう1つのシグナルは、周囲の人から見た印象もしくは本人の自覚として、『対人的な緊張』が強いこと。まったく面識のない人か友人なら問題ないのですが、社内でたまに顔を合わせる程度の人と話をするときに緊張が高まり、話が止まってしまったり、会話の受け答えがきちんとできなくなる場合は要注意。こうした対人緊張は、注意欠陥障害(ADD)のような『大人の発達障害』が背景にあることが多く、合併症として〝うつ〟を発症しやすくなるのです」

――うつ病を客観的に診断する先端医療技術の「光トポグラフィー検査」を行っている

「光トポグラフィー検査は、『抑うつ症状の鑑別診断の補助に使用するもの』として、保険診療の対象になっています。身体に害のない安全な近赤外光で脳の血液量の変化を測定し、健常、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症をそれぞれ判別。事前に実施する医師の問診と合わせて、総合的に診断を行っています」

「〝うつ〟は統合失調症にもみられ、うつ病と躁うつ病(双極性障害) も、従来の診断では鑑別が難しい場合があるため、光トポグラフィー検査を行うことで診断の正確性を高めることができます」

うつ病を客観的に診断する先端医療技術の「光トポグラフィー検査」を実施している

――磁気刺激治療(TMS)も行っている

新宿メンタルクリニック アイランドタワー 院長 川口佑(かわぐち・ゆう)氏

川口 佑 氏
新宿メンタルクリニック
アイランドタワー 院長
筑波大学医学専門学郡卒。2006年静岡県立病院機構。08年静岡県立こころの医療センター、静岡県立総合病院内科。11年品川スキンクリニック心療内科。13年9月から現職。日本内科学会認定医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医、米国臨床TMS学会会員。

「現在のうつ病治療の主流は薬物療法で、ここ数年のあいだに新薬が数多く上市され、新たな薬効を持つものも出てきました。ところが残念なことに、抗うつ剤はすべての人に対して効果を発揮するとはいえません。薬への反応が良好なタイプのうつ病もある一方、薬の効果が部分的にとどまり、一時期よりは症状が良くなるものの、なかなか寛解にまで至らないタイプのうつ病もあるのです」

「そこで当院では、アメリカ食品医薬品局(FDA)に認可され、全米500カ所以上の医療機関に導入されている機器を用い、自由診療の形で磁気刺激治療を行っています。脳のある部位に磁気刺激を加え、神経細胞を通じて感情をつかさどる扁桃体(へんとうたい)に二次的な刺激を与えることで、脳の活動を回復させる治療です。1回の治療に要する時間は約40分で、治療期間が1~3カ月程度と短いのが特徴です。当院で使用している機器のメーカーは、日本でも医療機器の承認申請を行っています」

――今後の抱負は

「うつ病の大半には薬物治療が有効ですが、薬が効きづらい新しいタイプのうつ病が増えています。ほかにも慢性化したうつ病や、体にとくに異常がないにもかかわらず、腰痛や疼痛などを訴える症状も多くなってきました。こうした一般のクリニックでは手に負えない難治性の障害に悩む患者さんたちのために、治療に至る道筋を作ることを目標にしています」

新宿メンタルクリニックはアイランドタワー院のほかに、名古屋院、梅田院(大阪市)も開院している

クリニック概要

医院名:医療法人社団翔友会 新宿メンタルクリニック アイランドタワー
開院:2013年6月
院長:川口佑
所在地:東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー24F
診療科目:精神科・心療内科・神経内科
診療時間:10:00~20:00、土・日・祝日も診療
TEL:0120-772-909
URL:http://www.shinjuku-mental.com/

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