こだわり物語

モノの価値を正しく伝える

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こだわり物語への想いを語る

株式会社アーツエイハン 代表取締役 飯塚吉純

移り変わる企業広報ツール

企業PR用の広報ツール(コンテンツ)は様々なものがある。
Webサイト、会社案内パンフレット、そして会社案内映像等である。
もう全く死語だが、企業の会社紹介映像はVP(Video Packege)と呼ばれており、VTRの登場から制作されてきた。
もっとも、建築物やダムの記録映像などは戦前から行われており、こちらはVPとは言わずに単に記録映画 (フィルム)と呼ばれていた。(収録は16mmフィルム)
企業の映像制作は民生機のVTRの普及(VHS/Beta)に伴い昭和50年代中頃から急速に増加してきた。
(家庭用VTRの普及に大きな貢献したのはアダルトビデオである)

当時の映像制作は、熟練のスタッフの創造的な仕事であり、撮影機材も輸入車が購入できるような莫大な金額、映像編集は1時間あたり5万円もする1インチのVTRがある編集スタジオに籠り、一昼夜かけて行っていた。
そんな映像制作費は平均すると、大体500万~2千万円位だった。しかし、建築物の記録映像とかはともかく、構成も演出もそれなりのベテランスタッフが必死に制作した割には、視聴する者の興味を引くようなワクワクするような作品は少なかった。
その当時は企業訪問すると、まずは会社や工場案内の映像を強制的に見せられるような事も多かった。メリハリのないだらだらした作品は、実は睡魔との闘いのような事も少なくなかったように思う。

一方、当時世の中に急速に普及してきたアダルトビデオは有名女優や流行語を創りだすような監督が出現し、今までの常識を覆すような企画モノが一気に増えた。レンタルビデオ店の急激な普及と共に中小のAVメーカーが雨後の筍のように出現した時代だ。
同じ映像でも、意思にかかわりなく見せられる企業用の映像と自分から密かに興味をもって視聴するアダルトビデオとは、対局する映像コンテンツだ。

その後、平成8年頃からインターネットの商用利用がはじまり企業向けの映像も活用方法が大きく変化した。全ての企業がコーポレートサイトを開設し、企業情報はPCで検索して入手する時代と変わってきた。さらに、ブロードバンドが普及した現代、映像は「作品」から「素材」へと格下げされ、様々なメディアへのコンテンツになりワンソースマルチユースへと変革した。
また、ビデオカメラやPCの劇的な進化により、映像は誰でも制作できる素材となり、例えば会社案内映像等の制作費は5分の1程度までコストダウンされた。
そんなメディアの様変わる中、企業の広報/販促向けの映像コンテンツはどのような役割をしなければならないのだろうか。ハード機器や通信のインフラが整い、身近なコミュニケーションツールとなった映像。成果につながる映像は、どう制作すればよいのか。

インパクトあるメッセージをコンパクトに伝える映像

企業が広報、販促用に制作する映像は、興味のない視聴者に対し、「この内容についてもっと知りたい」と興味を喚起させるようなものでなければ意味がない。

ところが、企業用の映像を受注し制作を行っていると、クライアントの担当者や制作側も映像を完成させる事が目的みたいな感覚に陥る事もある。
なぜなら、当初はコンパクトに目的をもって構成や台本を作成提案しても、ペーパー上の台本に様々な情報がどんどん盛り込まれていくからだ。会社案内映像などでも、各部門からあれもこれもと台本に赤文字が入れられ、膨大な情報量が詰め込まれていく。
台本を読むだけなら、自分のペースで情報をインプットし想像しながら理解すればよいが、映像の場合は、ハイスピードで情報が降りかかってくるので情報過多になりがちなのだ。メリハリのない構成では結局何を伝えたいのが、解らない映像となってしまう事が往々にある。構成台本は初稿からはじまるが、中には台本10稿以上となる事もある。最悪なのは、ナレーションと映像がリンクしていなく「ナレーションが暴走」している映像の構成である。
こんな映像を強制的に見せられた視聴者は苦痛そのものでしかなく、途中で視聴を中止してしまう事になってしまう。

そもそも企業がコンテンツを制作し情報発信する目的は、企業自身のPRや商品やサービスをスムーズに伝える事を目的としている。
そのための映像はステークホルダーであろう視聴者に対し、「インパクトあるメッセージをコンパクト」に伝え、次のアクション(Webサイトでの情報収集や資料請求)を起こしてもらえれば映像の役割は完遂していると思ってよいだろう。
そのため、まずは何のためにつくる映像なのかを整理し、伝えたい事とターゲットを絞り込むことが大切である。伝えたい事が多い場合は決して長尺にするのではなく、用途によっていくつかの映像に分けて制作する事も重要である。もはやWebやDVDもインタラクティブな操作が当たり前なので、視聴するユーザーのニーズに合わせチャプター分けをする等である。

企業がビジネスに活用する3種の映像

また、主に企業がビジネスに活用する映像のカテゴリーは大きく分ける次の3種類である。

ひとつめは、DVD等で配布され、受け取った側が自分の都合で、テレビモニターやPCでじっくり見るタイプ。企業紹介や商品プロモーション等が多い。
だいたい15分以内の作品が多い。
一昔前までの企業用の映像は殆どがこのタイプ。会社案内映像であれば、ただ単に説明すると単調になりがちで、興味を喚起させないので、切り口をドラマ形式にしたりテレビ番組風にして見易くする事が必要である。ダラダラとした映像構成では、最後まで視聴してもらえない。

ふたつめは、「映像との遭遇」の場合。
店頭での商品プロモーションや、展示会/イベント等でのプロモーションの映像がこれにあたる。
ターゲットとなる視聴者へいかに商品等の特徴を訴求し、購買行動へ繋がる次のアクションへ誘導する事を目的とした映像だ。
この映像の目的はまずは足を留めさせる事。その為にはインパクトかつコンパクトなものが必要となる。
他にも、聞きなれたナレーターを起用し、親しみ感を醸成させる事もひとつの手法でもある。
そして、使用するハード機器も、ただ単にモニターを意味無く設置するのではなく、展示会であれば、来場者の導線を考慮しスムーズに目にできるサイズのディスプレイを複数設置したり、店頭であれば、POPのひとつとして商品棚にスマートに組み込む等のひと工夫も必要である。さらに、映像を垂れ流しするだけでなく、インタラクティブ(対話型)な仕組みを構築する事も効果的である。

そして最後は、Webサイトを介しての映像の配信である。
この映像配信については、webコンテンツのデザインとして、Flash等でイメージ的なビジュアルとして映像を活用する場合と、きちんとした動画コンテンツとして、ユーザーの操作により視聴がはじまるふたつのパターンがある。
前者のイメージ的に動画を活用している場合は、アイキャッチになるような、インパクトある短い映像であることは言うまでもない。当社の映像制作本店というWebサイトでは、サービスごとのトップページに、役者を活用したイントロダクションページを用意している。
http://eizo-honten.com/

後者のネットを介して動画コンテンツを配信する場合は、情報を求めているユーザーへ的確にきちんと伝えなければならない。
例えば、IRページなどで株主総会の模様を伝える場合は、長尺の記録映像で、内容が網羅されたコンテンツの配信が必要となる。また商品のプロモーション用の映像は店頭で放映するコンテンツとは異なり、ニーズのあるユーザーに商品情報や使用しているユーザーの声等を正確に伝える事が購買意欲の向上に繋がるのである。タイヤメーカー等のプレミアムタイヤなど、高価格でマニアックな部類のユーザーがターゲットの商品では比較的内容の濃い映像を配信している。その商品の購入を本当に検討しているユーザーは商品のイメージだけでなく、本当のスペック等の情報を求めているのである。

誰もが映像制作と配信ができる時代に必要なものとは

当社も「こだわり」の商品やサービスを動画で紹介する広報用のポータルサイト「こだわり物語」をプレオープンしている。
http://kodawari-story.com
「こだわり物語」は商品や企業を客観的な視点でドキュメント映像で紹介するサイトである。一般のニュース番組の中の「今日の特集」のような短い映像を、軽い気持ちで視聴する事が可能である。また、Facebook等のソーシャルメディアと連動する事で、「情報との遭遇」を発生させ、様々なネットユーザーへ少しずつ認知を広める事を目的としている。

とにかく、映像という情報は日常生活に溢れており、幼少期から常にテレビを視聴しており感性が鍛えられている。そのために構成やナレーター等も「プロの視聴者」に受けいれてもらえるクオリティのものであることは重要な要素である。
現代は誰もが、映像を制作して配信することが可能になった。でも、大工道具を持っていても、犬小屋は日曜大工程度で製作できるが、本当の住宅は建築できないのと同様で、映像制作もハード機器が整っただけでは本物の映像制作は困難だ。
今後ますます、視聴者がその映像を本当に「見る理由」が必要な時代になり、制作者側はプロとして見てもらえる映像素材を責任もって創りあげ、ワンソースマルチユースの映像素材が企業コミュニケーションに少しでも役立てるようにしなければならない。

執筆者プロフィール

株式会社アーツエイハン 代表取締役 飯塚吉純

株式会社アーツエイハン
代表取締役 飯塚吉純

1964年 東京生まれ。
1985年 東放学園専門学校放送技術科卒業。

映像制作会社技術部撮影課、制作部プロデューサーを経て、2000年 4月、有限会社アーツエイハン設立。2002年4月、広告会社と事業統合。現在に至る。

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株式会社アーツエイハン 代表取締役 飯塚 吉純氏

「こだわり物語」は商品や企業を客観的な視点でドキュメント映像で紹介するサイトである。一般のニュース番組の中の「今日の特集」のような短い映像を、軽い気持ちで視聴する事が可能である。また、Facebook等のソーシャルメディアと連動する事で、「情報との遭遇」を発生させ、様々なネットユーザーへ少しずつ認知を広める事を目的としている。とにかく、映像という情報は日常生活に溢れており、幼少期から常にテレビを視聴しており感性が鍛えられている。そのために構成やナレーター等も「プロの視聴者」に受けいれてもらえるクオリティのものであることは重要な要素である。

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