多言語化を制するものがグローバル化を制する

第7回

世界に言語はいくつあるのか ~ 絶滅していく言語

上田輝彦 2016年11月11日
 

世界には膨大な数の言語がある。一体いくつあるとお思いだろうか?

実は、方言なのか別言語なのか、その判別が簡単ではない。スペイン語とポルトガル語はおおよそ通じるし、スウェーデン語とデンマーク語も互いに意味が大体わかる。江戸時代の津軽弁と薩摩弁の方が言語の距離は遠いだろう。

 

言語数を正確に数えることはほぼ不可能なのだが、研究者によって大きなばらつきがあるものの、世界には約3千から8千の言語があると見積もられている。

 

そのうち90%が今世紀中に絶滅すると言われている。あまり認知されていないが、日本にも絶滅寸前の言語がある。UNESCO(国連教育科学文化機関)によれば、アイヌ語、与那国語、八重山語、宮古語、沖縄語、奄美語、八丈語が絶滅の危機に瀕する言語だ。

 

絶滅の危機とは、その言語が祖父母以上の世代によって話されており、親世代では理解されるものの会話で使用されず、親子や子供同士でも話されていない状態のこと。さらに深刻なのは、祖父母の世代でさえ部分的に、または、まれにしか話されない状態だ。日本の地方の方言も同じような状態になってはいないだろうか。

 

ちなみに、1950年以降認められている範囲だけでも、世界で220~230もの言語がすでに絶滅した。例えば、米国内では54言語、ブラジルで12言語、台湾で10言語、インドネシアで10言語、豪州で6言語が絶滅した。現時点で絶滅の危機にさらされている言語は約2500。言語は話者が百万人以上いないと安定しないと言われており、絶滅が目前に迫る言語、つまり話者が残り数十名~数百名となっている言語は行列待ちの状態だ。

 

生物は絶滅危惧種として保護活動が比較的盛んだが、言語はなかなか難しい。話者を増やす必要があるが、経済的なメリットがない言語はなかなか繋ぎ手が見つからないからだ。しかし、言語上の多様性がなくなると、その土地での植物や動物の区別が失われ、どんな種類の生物がいるか分からなくなるので、生物的な多様性も失われていくことにもつながる。

 

時々ひっそりと、最後の話者が亡くなったというニュースが流れる。最近では、2009年と2010年に、インド洋に浮かぶアンダマン諸島の2つの言語で、最後の話者が立て続けに亡くなった。もし地球上から日本語がなくなり、この日本語の豊かな「世界」を理解する人が誰一人永遠にいなくなった時のことを想像すれば、その悲しさと寂しさを理解できるだろう。

 

少数言語の保護についても、「私たちに何ができるか」という感覚を養うべきではないだろうか。

 

次に、世界の主要な言語について述べたいと思うが、世界トップ10位、さらには20位の言語を挙げることができるだろうか?きっと、知らない言語が沢山登場することに驚かれることだろう。

 
 

WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)

福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。

一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事

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