殻を破らせる社員教育の秘訣

第19回

感情を揺さぶる体験に強くさせる社員教育

別役慎司 2018年1月12日
 
シアタースタイルプレゼンマスター、株式会社ASCEND FEATHER代表の別役です。
皆様、あけましておめでとうございます。

さて、今回は研修の世界で盲点になっていることを取り上げます。
それは「感情」です。

わたしたちはおかしなことに、研修では理性に訴える論理的なことばかりを学びます。
しかし、どうあがいても、わたしたちはロボットではなく、いついかなるときも感情と一緒に生きています。
それなのに、感情面に特化した研修が少ないわけです。
最近になってレジリエンスという言葉が流行り、精神的な忍耐力・回復力を取り上げるようにはなりました。働き方改革が叫ばれるようになったのは、感情的に疲弊してしまう人が無視できなくなったからでしょう。

わたしたちは、仕事をしていると、様々なプレッシャー下にあり、様々な感情的な揺さぶりを受けます。それは大きなストレスとなります。
最悪なことに、ビジネスの現場ではこうした感情論を持ち出すのをタブー視するところがあり、緊張や不安や恐怖心を出してはいけない環境があります。すると、外に発散できないマイナスの感情は、内側でとどまってその人をボディーブローのように苦しめます。この状態が長く続くと、鬱になったりします。

自衛隊訓練や鬼講師の研修で、精神を強制的に鍛錬するのでもなく(これは人間にとって非常に不自然であり、心への悪影響が心配されます)、働き方改革で労働時間を削減するというズレた観点に解決策を求めるのでもなく、もっと感情というものをよく知ったほうがいいです。

過酷なビジネスのプレッシャー下において、素直に感情を外に出せる環境作りをすることが、よりよい働き方改革です。また、緊張や不安や恐怖というネガティブな感情が、実は気づきや成長につながるポジティブな面を持っているのだと気づかせることが必要です。物事はその人の捉え方次第ですから、前向きと後ろ向きに捉えるのでは雲泥の差です。

こうしたことを実現するには、普段から感情と慣れ親しむことです。
演劇から応用したトレーニングにはそれがあります。トレーニングという安全な場で感情を使うので、感情を解放できます。そして、少しずつ感情を外に出していいことを学びます。すると、ビジネスの場でも感情を出せるようになり、ストレスの低減という効果だけでなく、表情が豊かになり、エネルギッシュな振る舞いになることで営業成績が上がったり、周囲の信頼感向上に繋がったりします。

まだまだ人の感情を蔑ろにしている環境は蔓延しています。意識を変えていかなければいけません。

 
 
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プロフィール

株式会社ASCEND FEATHER
別役慎司 (べっちゃくしんじ)

劇作家・演出家・俳優訓練トレーナー・俳優・研修講師・引き寄せの法則専門家
財団法人JBS日本ビジネスセミナー協会認定研修講師

1975年、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒、日本大学大学院芸術学研究科修士課程修了。
日大在学中に劇作家のキャリアをスタートさせ、1994年には神奈川県演劇脚本コンクールにおいて最年少で第一席に。
大学院在籍時、海外派遣制度にて選抜されロンドン大学ロイヤルホロウェイ校に留学。
世界最前線の俳優訓練法や演出法を研究して帰国、以来、スタニスラフスキーシステム、シアターゲーム、インプロヴァイゼイションといった世界標準のメソッドを提供している。
大原高等学院、劇団ひまわり、東京アニメーションカレッジ専門学校、VANZ ENTERTAINMENTなどの外部講師も歴任。
現在はSTONEψWINGS アクティングスクール校長、株式会社ASCEND FEATHER代表取締役、FEATHER IMPRO ACT PROJECT代表として、俳優指導を行うかたわら劇団活動にも力を注ぎ、脚本・演出・出演をすべてこなす。
また子供たち対象の演劇教育にも造詣が深い。世界の俳優訓練法をビジネス教育や一般教育に応用した新分野を開拓し、インプロトレーニングやスピーチ・プレゼン指導を積極的に展開している。
研修講師として登壇したり、自社セミナーを行うほか、人前で自信をもって話せるために「スピーチクラブ」を設立し、主宰をつとめている。
著書の「誰でも人前で台本なしに10分間話せるようになる本」(CCCメディアハウス)はアマゾンベストセラーランキング総合1位を獲得した。

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