講師のホンネ

第46回

ベネルクス3国で気づいたこと

大谷 由里子 2017年9月13日
 
オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの3つを「ベネルクス3国」と言う。中学校で習ったが、「小さな国がくっついて仲良くしている」くらいのイメージしかなかった。実際、ガイドブック「地球の歩き方」でも「オランダ、ベルギー、ルクセンブルク」だし、どの国も似たようなものだと思っていた。

昨年の12月、オランダに住む友人から「オランダで講演会をやりませんか?」と声をかけてもらった。この8月に講演会を開き、ベルギーへも旅する予定を立てた。行ってみて、初めて分かったことがある。

ベルギーとオランダは全く違う。まず、言葉が違った。オランダはオランダ語だけれど、ベルギーでは、多くの人がフランス語を話す。食べ物も違う。日本人になじみのあるワッフルやチョコレートはもちろん、海産物もおいしい。一方、オランダは、ジャガイモやトマトなどの素材を生かした料理が多かった。オランダ在住の友人いわく「オランダは、キリスト教のプロテスタントが多いけれど、ベルギーは、カトリックが多いんですよ」とのこと。カトリックは晩餐(ばんさん)などがある影響で、食にこだわるらしい。

また、「外食しているのは観光客。オランダ人は外食しない」という。ベルギーには、欧州連合(EU)の本部があり、経済や金融の中心。世界のダイヤモンドの7割が流通しているといわれる。
 
つまり、簡単に列車で行けるけれど、まったく違う国だった。私も含めて、日本人から見ると、一緒にしてしまっている感がある。そしてふと、かつて海外で仕事している経営者が言った言葉を思い出した。「ヨーロッパから見たら、日本も韓国も一緒なんだよ。なんで仲良くできないのかって言われたよ」

もっとも、九州と北海道だって違う。何よりも人は一人ずつ違う。ベネルクス3国は、それを分かっているから、あえて同じ国にならずに、お互いを尊重して均衡を保ってきた。それが後にEUとなっていった。ということは、「EUの原点は、ベネルクス3国だったんだ」と、恥ずかしながら今回のオランダでの講演会をきっかけに初めて知った。何よりも、改めてお互いの国を尊重すること、いろんな宗教や習慣を尊重することの大切さを痛感した。

2017年9月13日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

有限会社志縁塾
大谷由里子

おおたに・ゆりこ 1963年、奈良県生まれ。
85年吉本興業に入社。マネジャーとして活躍後、2003年に志縁塾設立。

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