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第5回

離職率ゼロは本当に素晴らしいのか

中村 圭志 2018年5月16日
 

ISAOのバリフラット


階層も役職もない「バリフラット」 

もともと典型的な階層型だった組織を、フラットにしたという珍しい事例のためか、最近では色々な人と組織の話をさせていただく機会が多くなりました。

その中で様々な質問を受けるのですが、離職率について聞かれることがよくあるので、今回は離職率について考えてみました。


バリフラットにしたら離職率は低くなる?

「バリフラットにして社員が自由にのびのび力を発揮できるようになったら、離職率は減りましたか?」

実は、ISAOは「会社に合わないから転職する」「やりたいことが会社の外にあることがわかったから卒業する」ということに関してポジティブに考えているので、「離職は悪」という考え方はありません。

もちろん、あまりにも入れ替わりが激しいと業務自体がうまく回らなくなりますので、それは会社としては良くないのですが、一定レベルであれば、入れ替わりがあって、新しい風が入って来る環境を維持することはむしろ組織にとっていいことではないでしょうか。

ISAOがバリフラットに向かいだした2010年ころから最近までの離職率や、その傾向について調べてみました。


オープン化、フラット化し始めた頃(2010〜2012年頃)

離職率 15〜20%程度

この時期は、ISAOが5年間も一度も黒字月のなかった時期の終盤なのですが(2012年7月に黒字化)、大きく2つの理由で離職率が高い時期でした。

・ずっとマーケットで負け続けている会社に見切りをつけて辞めていく

・マネージャー層に対して「人を管理するだけの人は仕事しているとは認めない」という強いメッセージをだし始めたため、「自分は管理者で部下に仕事をさせたい」という仕事の仕方が通用しなくなったことを嫌って辞めていく

ネガティブな理由で辞めていく人が多い時期でした。


オープン・フラットが定着し、業績が安定成長していた時期(2013〜2015年)

離職率 10%程度

いわゆる「管理する人」という意味でのマネージャーがほぼいなくなり、僕も含めて全員がプレーヤーとして仕事をするのが当たり前という文化が定着し、業績も安定して成長していたこともあり、離職率はかなり低くなりました。


完全なるバリフラット後(2016〜2017年)

離職率 12〜13%程度

既存ビジネスの成長が緩やかになり、自社サービスのGoalousやMamoruをリリースするなど、新たなチャレンジに向かいだしたこの時期、全ての人に成長を求める方向にISAOは向かい始めました。

個人の成長を強烈に意識する人が増え、発展的な卒業も増えてきました。

また、それとは逆に「ついていけない」「こんなに成長成長と言われる環境では心が休まらない」と辞めていった人もいました。

それに伴って離職率はまた上がり始めました。


離職率は何%くらいがちょうどいい!?

適正な離職率は、その会社のステージや、成長のスピードによって変わってきます。

ISAOで言えば、会社が危機的な状態だった2010〜2012年頃、会社でパフォーマンスを出せている人も辞めていく人がかなりいた時期で、そのため離職率が高くなっていた状態は健全ではなかったように見えます。

逆にここ最近で離職率が多少上がっているのは、どちらかというと会社としては健全であるとも言えます。

なので、一概に低ければいいということでもないですし、何%くらいがちょうどいいということはないと思っています。

ちなみに、今後のISAOでは、辞めていく人は全員が「ポジティブな理由」という前提になって、5〜10%くらいの離職率というのが健全であり、適正ではないかという感覚を持っています。

 
 

株式会社ISAO
代表取締役 中村 圭志


・1993年、千葉大学工学部卒業、同年4月に豊田通商株式会社入社
・2004年3月、Toyota Tsusho Europe S.A. ドイツ・デュッセルドルフ支店へ出向
・2006年4月、Toyota Tsusho ID Systems GmbH設立・代表就任
・2010年10月、株式会社ISAO代表取締役に就任


就任時に-6億円の赤字企業だったISAOをV字回復し復興させた立役者。
欧州駐在時に会社を設立し、経営者として働くことで「経営は、みんなを幸せにすることができる仕事である」ことに気づき、経営のプロとして生きていくことを決める。

2020年、株式会社ISAOを”世界のシゴトをたのしくするビジョナリーカンパニー”にするべく、Team ISAOの一員として経営をおこなう。

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