経営の解体新書~いざ、未知を道へ~

第9回

採用8割の法則

浅野泰生 2017年12月21日
 

「良い人が採れない……」

「優秀な人材が欲しい……」


経営者の最大の関心事は「人」。アベノミクス効果で大企業の業績が良くなっている昨今、中小企業には優秀な人材がまわってきません。「猫の手でも借りたい」という状態のときは、ついつい採用基準が甘くなってしまいます。はたして、それでいいのでしょうか?


私は『採用8割の法則』を提唱しています。


これは採用と育成のプロセスの中で「採用に8割以上のお金と時間と人を投入すれば、その後人材は勝手に育っていく」という考え方です。「人なんて採用してみないとわからない。採用してからしっかり教育する」という方がいますが、私の経験上、間違った採用をした場合、採用した後にいくら教育しても育ちません。もちろん、知識やスキルは教育によってある程度伸ばすことはできます。


ここで申し上げたいのは、その会社の理念やビジョンへの共感度や、その人のものの考え方のことです。理念への共感度やものの考え方は、入社後の教育では何ともし難いのです。逆に、理念や考え方がその会社に合っていれば、入社後の教育も非常に有効なものになります。


当社では採用時、応募者に質問する前に、クレドを使って理念やMAPバリュー(行動基準)を説明し「このような会社ですが大丈夫ですか?」と合意を取ってから面接を始めます。先に合意を取ることで、「踏み絵」をさせるわけです。当社の方向性や風土に合わない人は自ら辞退していきます。方向性が一致している人を対象にした「教育」は、お金と時間をかけずとも非常に高い成果を上げます。


だからこそ、「教育」よりも「採用」がより重要なのです。


 
 

プロフィール

株式会社MAP経営
代表取締役社長 浅野泰生


「経営計画」一筋27年の株式会社MAP経営の代表取締役社長。
経営計画の立案を通じ社長の課題設定力を醸成し、行動計画の徹底と人材活用の両面からビジョン構築とその達成を支援するビジョンナビゲーター。
大学卒業後、親のコネで国内最大級の飲料メーカーに入社し、飲料をトラックで運ぶ配送業務に従事。新入社員の年間MVPを獲得するも退社。
その後、職を転々とし、4回にわたる転職人生で多額の負債を負うことになる。
2006年に株式会社MAP経営に平社員として入社。
入社1年後の2007年に取締役就任、2014年より現職というスピード出世を実現する。
2013年発売『最強「出世マニュアル」』の著者でも知られている。

・執筆履歴
 『最強「出世マニュアル」』(2013年マイナビ新書)

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