海外販売で世界へ!世界一周バックパッカーからの起業

第3回

eBayはOK、Amazonならクレームで販売停止!?知らないと怖い「VAT」

佐藤 亘 2016年3月15日
 

 EU向けに海外販売をはじめるとき、
必ず知っておかなくてはいけないのが
VAT※1(付加価値税)の問題です。
 特にEU圏内のAmazonに出店する場合、
ここをよく押えておかないと、
厄介なトラブルに発展する可能性があります。

eBayならOK!Amazonならクレーム!その理由は?

 同じ商品を同じ価格でeBay、グローバル楽天、
Amazon.uk(イギリスAmazon)で販売した場合、
Amazonで購入されたお客さんからだけ、
クレームが発生する確立が高くなります。

 その理由が、VATです。

 自社の越境ECサイトでの販売、もしくはeBay、
グローバル楽天などのマーケットプレイスの販売ポリシーでは、
日本国内の販売者がVAT登録をする必要はないとされています。

 これは、購入した消費者側がVATの納税義務者となるため、
購入者が商品と引き換えにVATと関税を支払うことになるからです。

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04P-100605.html

 逆に、海外から日本に商品を輸入した場合は、
受取人であるこちら側が税金の納付をしなければなりません。

http://www.customs.go.jp/tsukan/kojinyunyu.htm

eBayとAmazonで全然違うお客さんの考え


 販売側であっても、
欧州のAmazon(Amazon.ukもしくはfr,de,it,esなど)
に出店する場合は、注意が必要です。
 Amazonのローカルルールとして、
出品した商品に対して商品代金、送料、
その他料金が発生するものは、全て記載する必要があると
セラー販売ポリシーで定められているためです。

 そのため、海外販売をよく利用するお客さんの
お買い物時の思考はこうなります。

eBay、グローバル楽天でお買い物
「欲しかったA商品が◯◯◯ユーロ……
これにVATと手数料がかかるけど、
合計で◯◯ユーロくらいかな」
「それでも欲しいから買おう!」

Amazon.ukでお買い物
「欲しかったA商品が◯◯◯ユーロ、
VATも手数料も全部込みでこの値段だよね!」
「安いし欲しいから買おう!」

Amazonのローカルルールが鍵

 Amazonにおいては、購入者は商品ページで記載されている
料金以外を支払う必要はないのが、大前提です。
 しかしAmazonで購入した商品を消費者が自宅で受け取る際も、
他の場合と同様にVATと関税を支払わなくてはいけません。
 でも購入者が、
「商品ページに記載されている金額以外のお金を要求された」
と申し出た場合、販売した側がこれらを支払わなくてはいけない、
というのがAmazonのルールなのです。

 お客さんがeBay※2やグローバル楽天※3などで買う場合は、
VATを支払う必要があるのは分かっているのでクレーム
になりにくいといえます。逆にAmazon※4の場合は、
全て含まれた価格のはずなので、
他に費用がかかるとクレームになったり返金依頼がされるのです。

下手をすれば販売権はく奪、売上金留保に

 Amazonで販売する上では、販売者はAmazonのルールを
厳守する必要があり、購入者側から申し出があった場合は、
顧客に対して返金処理をしなくてはいけません。

 さらに重要なのが、このような事態になった場合、
販売者はAmazonのセラー販売ポリシーを破ったとみなされ、
Amazonより注意を受けることです。これが2度ほど発生すると、
一時的に販売停止(サスペンド)の処置が取られ、
販売者は商品に関税を含めた料金設定をしなかった説明と、
今後の改善報告書を提出しなければいけなくなります。

 提出された書類に問題がなければ、
販売停止(サスペンド)は解除されますが、
その後、同じVATの問題でサスペンドになった場合は、
購入者からの評価が悪いなどの条件が重なると
アカウントの取り消し、販売権のはく奪などの
致命的な処分がなされます。
その場合は、販売金額も90日間留保されます。

VATのミスはビジネスの大打撃にも

 こうなると、ビジネスに大きな影響がでたり、
場合によっては立ちゆかなくなるケースも出てきます。
 そのため、特にEU圏内のAmazonに出店するときには、
VATについて十分注意する必要があるのです。

※1 VAT(欧州付加価値税)とは
VATとは、EU圏内のほとんどの商取引において課せられる
一般的な税(消費税)です。
企業は、販売する商品や提供するサービスの価格に
VATを追加する形で課税します。
企業は商取引においてVATを課されれる一方、
仕入れにおいて支払ったVATの還付を申告することができます。
ただし、還付を申告するためには、
企業がVAT登録している必要があります。
VATは、最終的にエンドユーザーである消費者によって
支払われることになります。

※2 eBay 国際税関および関税について
http://www.ebay.co.jp/business/business-support/overview-international-custom/

※3 楽天  配送および配送料
http://event.rakuten.co.jp/borderless/help/jp/shipping/

※4 Amazon マーケットプレイス参加規約(日本版)
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=1085366
http://prntscr.com/addqoa

参考)税関 関税の仕組み
http://www.customs.go.jp/shiryo/kanzei_shikumi.htm

 
 
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プロフィール

ジャパンコンサルティング株式会社
代表取締役 佐藤 亘(さとう わたる)

北海道出身 上場通信会社の取締役を退任後、35歳の時に世界40ヶ国を巡る旅へ。 約1年の旅の中で日本製品の需要と評価の高さを実感する。
帰国後、「日本と世界をつなぐ仕事」をしたいと言う思いから、
ジャパンコンサルティング株式会社を設立。

幅広いジャンルの商品70万アイテム以上を海外販売で取り扱い、
膨大なデータとノウハウを蓄積する。
その後、企業の海外WEB販売、販路開拓をさまざまな面から総合的に支援する事業をスタート、
多くの企業を、海外販路の拡大や売上大幅アップなどの成功へ導く。

現在は事業を拡大し、世界40ヶ国約400人に及ぶ各分野の専門家であるネイティブスタッフと連携して、
進出先の国やターゲット層に合わせた戦略の策定、ECサイトの企画・作成、
eBay、Amazonなどのマーケットプレイスにおける効果的な販売や集客、運営についての支援、
有力な販路開拓を効率的に探すための提案、海外販売の代行サービスなど、
日本企業の海外進出を具体的かつ全面的にサポートする事業を幅広く展開している。

「日本の売りたいと世界の欲しいをつなぐ」ための事業をさらに拡大中。

経済産業省、中小機構などセミナー開催、講演、メディア掲載多数。

ジャパンコンサルティング株式会社
Web Site : http://www.j-consulting.co.jp/
Video  :https://youtu.be/uHD5r3pjLB0
Linkedin : www.linkedin.com/in/watarusato10

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