海外販売で世界へ!世界一周バックパッカーからの起業

第2回

タブレット端末は軍事機器!? 関税と配送のトラップ

佐藤 亘 2016年3月9日
 

海外販売をしていると、ときどき配送関係の難問やトラップに行き当たることがあります。

ロシア経由なら買わない!?

あるとき、アフガニスタンのお客さんから、
送り状に「iphone」と商品名を書かないで、
と要求されました。

前に日本からiphoneを買ったら紛失されたそうで、
携帯電話、できれば精密機器と書いて欲しい、
とのこと。

高額商品は紛失することがあるので
ロシアを経由しない方法で
配送して欲しいとも言われました。

となるとロシアを経由する
日本郵便のEMSは使えません。

DHL/fedex/upsなどは配送料が高いためNG、
他に良い配送方法が見つからず、
結局購入には至りませんでした。

海外販売では、単に売るだけではなく
配送方法やその経由の事情まで
把握しておく必要があるのだと知った出来事でした。

届け先の配送事情でクレーム!

イタリア、ブラジル、インドネシアへの発送では、
日本郵便のEMSのトラッキング情報を確認すると、
予定通りに国までは届くのに、
税関のチェックのステータスに
何日もまったく変化なし、
というケースが少なくありません。

そうこうしている内に、
「5日で届くと書かれていたのに、一週間たっても届かない!」と
お怒りのクレームが届くことに。

「お客さんの国までは届きましたよ、国内の税関と配送遅延で届いてないんです」で
納得してもらえないこともあるので、
商品ページや配送ポリシーの記載には
この辺の事情にも十分注意が必要だと 思い知らされました。

こんな場合はあらかじめ、
「御存知の通り、あなたの国の配送環境はスムーズとは言いがたいです。
だから想定する到着日に届かない可能性があります。理解して下さいね!」
ということを上手に伝えておくことが、非常に大切です。

タブレット端末は軍事機器だからアウト!?

また、アゼルバイジャンのお客さんが
タブレット端末を購入されたときは、
こんなこともありました。

無事に国内に着いた商品は、
関税からそのまま日本にUターン。
「タブレットは無線機能があるので、入国できませんでした」
「…………?」

wifi機能のあるタブレット端末は
「軍事転用可能」と判断され、
税関で引っかかってしまったのだそう。

お客さんも
「携帯電話がNGなのは知っていたが、
まさかタブレット端末もダメなんて……」と
ガッカリです。

オーストリアの配送員は働かない?

オーストリアへの配送では、
また別の問題が発生しました。

「商品のトラッキング情報が、ドイツに入ってから5日そのままだ!」
オーストリアには大きな配送会社がなく
小さい配送会社ばかりが多く、
配送状況が更新されないことが多いのだそう。

「今日一日ずっと家にいたのに、ポストの中に不在票が入っていた!」
届け先はエレベーターのないマンションの4階、
面倒がった業者が不在票を入れたらしいのです。

「なんで私が郵便局まで受け取りに行かないといけないんだ!
 あんたが連絡して届けさせろ!」
お客さんによると、この事態は3度目なのだそう。
お怒りはごもっともですが……。

フランスでは不在でも保管してくれない?

 フランスのフィギュアを購入してくれたお客さんは、
「家を留守にして帰るのが3週間後になるので、その後に届くように手配してね! 
 追伸:返信をもらってもメールできないです。ごめんね」
ややこしいことになりましたが、
日本郵便のEMSでは不在でも
90日間保管してくれるので大丈夫なはずでした。

しかし3週間後、お怒りのメールが。
「3週間後以降に届けるようにっていったじゃない! なんで不在票が入ってるの!?」
慌ててトラッキング情報を確認すると、商品が日本にある?
その日の内に、受取人不在で商品がこちらに返送されてきてしまいました。

「90日間は保管しているはずでしょ!?」
 日本郵便の国際郵便担当へ電話してみると、
「フランスは保管期間が14日なんですよ。それを超えると返送されるんです」
国によって保管期間が違うので、
「90日間保管」をあてにしちゃダメなんだと知りました。

その後、お客さんに再送して無事に届いたものの、
再配送料は誰の負担……?
また新たな問題が発生してしまいました。

セント・マーチン島に送るはずがフランスに!?

セント・マーチン島のお客さんから、
「7日間で届くのなら買うんだけど、どうかな?」
とお問い合わせがありました。

EMSの配送期間を調べると、ちょうど7日。
それを信用して「ギリギリ届くよ!」と伝えて購入してもらうことに。

しかし配送2日後、お客さんからメールでお怒りのお問い合わせが。
「トラッキング情報がフランスになってる!
 どこに送ってるんだ、セント・マーチン島だぞ!」

チェックしてみても宛先は確かにセント・マーチン島の住所です。
でもトラッキング情報はフランス。
その後もずっとトラッキング情報はフランスのまま、
それ以上確認するすべもありません。

そして約束の7日目、お客さんから届いたメールを
恐る恐る開いてみると……。
「ありがとう! 無事に期日通り届いたよ!」とお礼が。

「……???」
 なぜセント・マーチン島に送った商品がフランスに配送され、
期日通りセント・マーチン島に届いたのでしょう?

調べてるとセント・マーチン島のカリブ海はフランス領、南側はオランダ領。
今回はカリブ海側のフランス領内に送ったから、
フランス経由で行ったというのが理由のようでした。

難しいけど「ありがとう」が嬉しい海外販売

 経験すればするほど、海外発送では新しい発見が多く、
毎回トラップとの戦いでもあります。

 しかし1つ1つクリアしてお客さんに
「届いたよ、ありがとう!」のメールをもらうと、
そんな苦労を吹き飛ばす喜びを感じることができます。

 
 
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プロフィール

ジャパンコンサルティング株式会社
代表取締役 佐藤 亘(さとう わたる)

北海道出身 上場通信会社の取締役を退任後、35歳の時に世界40ヶ国を巡る旅へ。 約1年の旅の中で日本製品の需要と評価の高さを実感する。
帰国後、「日本と世界をつなぐ仕事」をしたいと言う思いから、
ジャパンコンサルティング株式会社を設立。

幅広いジャンルの商品70万アイテム以上を海外販売で取り扱い、
膨大なデータとノウハウを蓄積する。
その後、企業の海外WEB販売、販路開拓をさまざまな面から総合的に支援する事業をスタート、
多くの企業を、海外販路の拡大や売上大幅アップなどの成功へ導く。

現在は事業を拡大し、世界40ヶ国約400人に及ぶ各分野の専門家であるネイティブスタッフと連携して、
進出先の国やターゲット層に合わせた戦略の策定、ECサイトの企画・作成、
eBay、Amazonなどのマーケットプレイスにおける効果的な販売や集客、運営についての支援、
有力な販路開拓を効率的に探すための提案、海外販売の代行サービスなど、
日本企業の海外進出を具体的かつ全面的にサポートする事業を幅広く展開している。

「日本の売りたいと世界の欲しいをつなぐ」ための事業をさらに拡大中。

経済産業省、中小機構などセミナー開催、講演、メディア掲載多数。

ジャパンコンサルティング株式会社
Web Site : http://www.j-consulting.co.jp/
Video  :https://youtu.be/uHD5r3pjLB0
Linkedin : www.linkedin.com/in/watarusato10

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