クラウド活用でビジネスが変わる!経営者・士業のためのクラウド活用術

士業ITアドバイザー協会

第20回

今注目の「クラウドファンディング」で、 資金調達の常識が変わる!~インターネットによる新たな資金調達手段として~

 
今、新たな資金調達の手法としてクラウドファンディングが注目を集めている。クラウドファンディングについて、所内でITチームを立ち上げ、IT・クラウド等に力を入れている弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズの瀬合孝一氏に聞いた。

クラウドファンディングとは、どのようなサービスですか?

クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、資金需要のある者がインターネットを通じて、主に一般大衆を対象に不特定多数の者から資金を調達する手法です。クラウドファンディングの本質的な価値は、従来の銀行による貸出システムではコスト倒れになってしまうような資金ニーズに対しても、資金の機会を提供したり、資金提供を通じてプロジェクトに参画したりする等、プロジェクトの実現を物心両面で支援することができる点にあるといえます。クラウドファンディングには多様なスキームがあり、分類方法も様々ですが、ここでは対価の内容によって、便宜上、①貸付型、②投資型、③購入型、④寄付型の4つに分類して説明させていただきます。

①貸付型
貸付型のクラウドファンディングは、一般社会で手許資金に余裕があり、資金を運用したいと考えている個人や法人などの資金提供者が、一般社会に存在する資金需要者に対して貸付を行うというものです。P2P(Peer-to-Peer)レンディングやソーシャルレンディングとも呼ばれます。一般的には、クラウドファンディングサイトが貸金業登録を行い、貸付のための資金を、貸付債権に対する匿名組合出資の形で一般個人から募るといった方法をとります。
クラウドファンディングサイトは、貸金業登録に加えて、匿名組合出資持分の自己募集を行うものとして、第二種金融商品取引業の登録が求められます。また、出資する一般個人は、貸付債権に対する匿名組合の出資の形態をとるため、元本の毀損リスクや想定された利息を受け取れないリスクを負います。現在、クラウドファンディング市場は、貸付型が牽引しているといわれています。
②投資型
投資型のクラウドファンディングは、資金需要者に対し直接投資の形態をとります。そのため資金提供者が取得するのは、資金需要者の発行する株式または匿名組合出資持分となります。その発行を取り扱うクラウドファンディングサイトは、株式を取り扱う場合には第一種金融商品取引業、匿名組合出資を取り扱う場合には第二種金融商品取引業の登録がそれぞれ必要となります。現在、ベンチャー企業による資金調達の一手段として利用を始めようとする動きがみられます。
③購入型
購入型のクラウドファンディングは、資金提供の対価として非金融の商品やサービスが提供されるものをいいます。たとえば、特定の商品を製作するための資金調達プロジェクトであれば、製品化が成功した商品やそれに関連したグッズなどが対価として提供されます。この場合、クラウドファンディングは、プロジェクトの広報としての役割(マーケティング機能)も担うことになります。購入型を利用するプロジェクト実施者は、販売業者として、特定商取引法や景品表示法の規制に注意する必要があります。
④寄付型
寄付型クラウドファンディングは、一般的には、被災地支援などの公益的な目的で実施され、資金の提供に対するリターンはありません。寄付型を実施する場合には、贈与税や寄付金控除といった税務上の取扱いと、返礼品の提供の有無及び程度に注意する必要があります。

今後クラウドファンディングの、どういった点に期待されていますか?

クラウドファンディングは、たとえば、地方の伝統的なものづくりに資金提供することで地方経済の活性化に寄与したり、ベンチャー企業による資金調達の一手段として利用する等、多くの可能性を秘めた新たな資金調達手段です。クラウドファンディング市場の健全な成長・発展のためにも、迅速かつ適切な法的制度を整えていく必要があるでしょう。

弁護士法人法律事務所 瀬合パートナーズ
代表 弁護士・税理士
瀬合 孝一先生 プロフィール

瀬合 孝一(せいごう こういち)
弁護士法人法律事務所 瀬合パートナーズ 代表 弁護士・税理士。京都大学法学部卒業。平成24年6月神戸で独立開業。所内でITチームを立ち上げ、IT分野の法務について日々研究を重ねている。
(http://www.segou-partners.com/)

2017年1月10日

 
 

一般社団法人士業ITアドバイザー協会

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