これからどうなる?!外国人技能実習制度~建設業編~

国際人材育成機構

第4回

帰国後の実習生

 

ここでプログラム修了生のその後の活躍をお伝えします。
建設業とは少し離れますがご了承ください

インドネシアの例


インドネシア社長の会

技能実習を修了・帰国後、創業し社長として活躍しているインドネシアの当機構の帰国技能実習生は5,000名を超えます。帰国実習生たちは、ジャカルタを始め地方の主要各都市で、「アイム・ジャパン帰国実習生 社長の会」を組織し、互いに事業を助け合い、情報交換し、これから日本に旅立つ実習生候補生に対して、実習生としての心構えや帰国後の計画など、先輩からの激励の言葉を送り続けるなど、プログラムを自主的に支援してくれています。

建設業では日本で型枠施工の実習を受けた、ある帰国生は、帰国後も建設関係の仕事に携わりたいとの強い思いと、今後のインドネシアの発展に伴い、社会インフラから住宅建設まで建設産業の活況が続くと考え、帰国後、直ぐに、小さいながらも建設資材販売会社を設立しました。建設ブームと相まって、この事業は少しずつながら順調に拡大し、この事業での利益を元手に、他の事業も展開し、総従業員約100名を雇用する経営者として、インドネシア経済発展の一翼を担っています。

具体例をひとつ、ご紹介いたします。元インドネシア実習生スロヨ・プリハントノさんです。

1995年5月から2年間、大分県にある建設業で技能実習を受け修了帰国し、現在、メッキ塗装業を営む元インドネシア実習生スロヨ・プリハントノさんは、今でもお世話になった社長を始めとする受入企業従業員の温かい指導を忘れられず、実習中、家族同様に家族団らんの夕食に呼んでもらったこと、家族旅行に連れって行ってもらい、皆で温泉に入ったことなど、今でも思い出されるとのことです。

しかし、技能実習従事中は、厳しく指導を受け、社長や日本人従業員から教わった、①規律を守ること②忍耐強く一生懸命に取り組むことで顧客から信用を得ること、の2点は、現在の企業運営のベースとなっているとのことです。

2年間の技能実習を満了帰国したスロヨさんは、将来、いつかは社長になりインドネシアの経済に少しでも貢献したいとの夢を抱きながらも、メッキ塗装業の日系企業に就職。得意先回りなどの営業職から、高い日本語能力を買われて日本人社長の通訳などを務め、会社からも高い評価を受けていました。

スロヨさんは、2004年に独立を決断。同じメッキ塗装業を立ち上げることとし、スロヨさんのこれまでの高い企業への功績から、就業先企業から学んだメッキ塗装技術での操業を特別に許されました。

現在は、身一つで創業した会社(PT. Rekayasa Putra Mandiri)は、取引先を拡大し、従業員40名までに成長しました。スロヨさんは、日本への恩返しは、日本での経験を活かし母国インドネシアの発展の礎となることと、社長業に専念しています。

作業服の胸には日本を忘れまいと
日本語で名前を刺繍
高い技術を要する
硬質クロムメッキ塗装製品
工場内 工場には、日本で学んだ5S運動を掲示
 

タイの例


インドネシア社長の会

2016年6月19日(日)タイでも「アイム・ジャパン帰国実習生社長の会」が発足し、その発足式がバンコクの南東110kmにあるチョンブリ県のE-TECH(Eastern College of Technology:私立の工業高等専門学校)のホールでタイ労働省の協力の下、200名を超える参加者とともに行われました。

タイにおいても修了生の活躍が成果を出しています。アイム・ジャパンのタイ帰国実習生は現在までに3700人に達しており、起業する人も徐々に増えつつあります。上水道環境を整備する会社、レンタカー会社等、様々です。また、来日前の事前講習生達も駆けつけ、種々の手伝いをしながら参加する意義深い日となりました。

参加者 タイ社長の会の幹部達


タイでも実習生としての経験を活かして、インドネシアと同様、努力の末に、 1000分の1の誤差も許されない航空機用の部品を製作出来るような企業を設立し、活躍している修了生もおります。

工場内 作成部品 高額な日本製機械


終わりに

ここまで建設業を中心として技能実習制度の概要と新法成立後の制度がどのように変わるのか及び若干ですがエピソード等を紹介させて頂きました。

この制度に関しては新法のところでも申し上げた通り、制度を悪用し、実習生を安価な労働力として酷使し、人権侵害にあたる事例が一部にあったことから、いまだに議論があることも事実です。

しかし、技能実習制度は人づくりを通じて、わが国の社会と産業の健全な発展と、開発途上国の経済発展に寄与にするという、国際貢献の一環であり、監理団体も受入企業もこの制度利用にあたってはその責任を果たして行かなければなりません。実習生は当然ながら労働基準法をはじめとする労働関連法令に保護されており、企業はそれを遵守すること、実習生は技能修得に全力を傾けること等を通じ、社会と産業の間できちんとしたコンプライアンスを保ちつつ日本、送出し国、実習生本人、受入企業のそれぞれがメリットを享受していくことが、この制度の発展のために大切なことだと思っております。

2016年8月18日

 
 

プロフィール

公益財団法人 国際人材育成機構(略称/アイム・ジャパン)

1991年設立の公益財団法人。
日本最大規模の外国人実習生受け入れ団体
「人づくりを通じわが国の社会と産業の健全な発展に寄与し、
人づくりを通じ開発途上国の経済発展に寄与すること」を理念とし、
現地の民間からでは無く、現地政府選抜の実習生を受け入れており、
受入企業・実習生へのフォローアップ体制には定評がある。
2016年4月末までに受け入れた実習生の総数は4万4千人に上る。

「海外・グローバル」 に関連する注目企業

「アジア・新興国」 に関連する注目企業

PageTop