これからどうなる?!外国人技能実習制度~建設業編~

第3回

平成28年度の新法による制度改正と実習生受入れ

国際人材育成機構 2016年7月13日
 
 外国人技能実習制度は、日本の技術や労働慣行を伝える制度として20年以上にわたり機能し成果をあげてきましたが、一方で残念ながら制度を悪用し、実習生を安価な労働力として酷使する事例が一部にあったことから、より適正な運用と実習生の保護を図ることが重要な課題となっていました。

 そこで、法務省及び厚生労働省では「技能実習制度の見直しに関する法務省厚生労働省合同有識者懇談会」報告書を取りまとめ、制度の適正化と優良な受入

 機関に対する制度拡充を目的とした「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」を策定し、2015年3月に共同で国会に提出しました。

 現段階では参院選後の国会で可決成立の見込みとなっております。そこで既にご存じの方も多いとは思いますが、ここで改めて新法のポイントをお伝えいたします。
 外国人技能実習生制度 新法のポイント

■技能等の修得・移転の確保

 技能移転をより確かなものにしていくため、実習の各段階における評価システムが強化され、技能実習計画は認定制となり、実習生ごとの作成が必要となります。また、実習生が帰国後どのように技能を活かしているかといったフォローアップも重視されることになります。

■監理団体及び実習実施機関の適正化

 技能実習全体を統括管理する機関(予定名称:外国人技能実習機構)が新たに設立され、受入企業への立入調査や指導監督が行われます。実習実施機関(受入企業)は届出制となり、監理団体は許可制となります。不正行為に対する罰則も強化され、不適正な監理団体に対しては許可の取消し、名称公表等の厳しい措置がとられることになります。
新法では監理団体は許可制になり2つのタイプに分類される予定です

*一般監理団体(優良な監理団体)
 1号・2号(1年目から3年目)及び3号(4年目から5年目)について技能実習の監理を行うことが出来ます。

*特定監理団体
1号及び2号(1年目から3年目)の技能実習のみについて監理を行うことが出来ます。

■人権侵害等の防止及び対策

 実習生本人が不利益を被ることなく不正行為を通報できるよう、申告窓口が整備されます。実習生に対する相談体制や情報提供、転籍の支援等も強化されます。賃金は同程度の技能を有する日本人と同等額が支払われるよう求められます。

■実習期間の延長又は再実習

 監理団体に対する許可、技能実習計画の認定の際に、優良な監理団体や受入企業が区分されます。優良と認められた監理団体及び受入企業に限って、第3号技能実習生(4~5年目)の受入れが可能になります。この場合、技能実習4年目(技能実習3号)が新たに成立される見込みです)技能検定試験の受検義務化により、移行時には技能検定随時3級(実技のみ)に合格していることが必須条件になります。
 なお、帰国した技能実習生の再入国は技能検定随時3級(実技のみ)または相当級に合格していれば、第3号技能実習生として入国が認められる見込みです。




8.公益財団法人 国際人材育成機構(略称/アイム・ジャパン)の技能実習生受入れに関して

 アイム・ジャパンは、労働大臣許可の財団法人中小企業国際人材育成事業団と して発足(91年12 月)し、2011年4月に公益財団法人の認定を受け現在の名称に改称しています。
 実習生の受入事業は、93年の制度創設初年度からスタートし、平成28年5月末現在で、インドネシアを中心にタイ、ベトナムなどの実習生4万人超を受け入れました。アイム・ジャパンは、人づくりを通じて日本の社会と産業の健全な発展、さらには開発途上国の経済発展に寄与することを理念に掲げ、 また日本における監理団体のリーダーとしての使命を果たして行きたいと思っております。

 以下、アイム・ジャパンで実施している実習生受入の概要を簡単にご紹介させて頂きます。

(1)協定(対送出し国政府)に基づく政府派遣の実習生であること
アイム・ジャパンはインドネシア、タイ、ベトナム政府直接派遣の実習生を受け入れています。身元もしっかりしており、真面目で意欲の高い実習生を紹介して参りました。

(2)事前講習(来日前)と集合講習(来日後)

 1)事前講習(来日前)
来日前には各国政府の職業訓練校等おいて4ヵ月間以上に渡って日本語・日本での生活一般に関する知識(礼儀作法、清掃等)円滑な技能習得のための知識・体育等について訓練を行い、この時点で態度不良や成績不良者は不合格としています。

 
タイにおける事前講習の様子
 
 また、ベトナムとインドネシアにおいては建設作業の基礎教育を実施しております。


インドネシア事前講習 建設作業訓練風景

「とび」作業訓練の様子
  


「型枠施工」作業訓練の様子
  


「鉄筋施工」作業訓練の様子
  


 2)集合講習(来日後)
日本に入国直後、アイムジャパントレーニングセンターにおいて約1ヵ月の集合講習を行い、来日前の事前講習を総括し、日本語の他、安全教育の一環として入門安全教育、危険予知訓練(KYT)、クレーン運転(5t未満)の特別教育(実技のみ)を行った後、各受入企業へ配属となります。

 

日本での集合講習の様子


(3)受入企業への万全のバックアップ体制
受入企業に対して企業別担当者を配し、定期・随時訪問を行う体制の他、実習生・企業間の問題発生時には24時間連絡可能な母国語による連絡体制を整備しています。
その他、技能実習生の負傷・疾病への備え、安全衛生対策、技能実習生の有資各業務、入国に関連する煩雑な事務処理等への支援を行っております。

(4)アテンド体制
本部、各支局に当機構職員を企業別担当者として配置し、月1回の定期訪問及び随時訪問を行っています。

(5)技能実習生への万全なケア
フリーダイヤルと母国語による相談、実習生同士交流機会の提供、日本語学習・資格修得(日本語検定・技能検定等)対する意識向上に努めています。また、帰国後の就職・起業支援なども行っています。

(6)その他
実習以外にも各国のナショナルデー他、受入企業様主催のイベント、地域のお祭りなどに実習生も積極的に参加してもらい、地域との共生、文化交流等にも努めてもらっています。

 

 
 

プロフィール

公益財団法人 国際人材育成機構(略称/アイム・ジャパン)

1991年設立の公益財団法人。
日本最大規模の外国人実習生受け入れ団体
「人づくりを通じわが国の社会と産業の健全な発展に寄与し、
人づくりを通じ開発途上国の経済発展に寄与すること」を理念とし、
現地の民間からでは無く、現地政府選抜の実習生を受け入れており、
受入企業・実習生へのフォローアップ体制には定評がある。
2016年4月末までに受け入れた実習生の総数は4万4千人に上る。

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