これからどうなる?!外国人技能実習制度~建設業編~

第2回

制度活用のメリットと受入企業の声

国際人材育成機構 2016年6月13日
 
 前回は技能実習制度の概要をお話しさせて頂きました。今回は制度活用のメリットとIMジャパンにお寄せ頂いた受入事例の紹介、そして実際に受け入れるにはどのようにするのか、をご紹介いたします。
 
 さて、建設業においてはこの制度が日本人労働者の採用や定着に悩まれている企業の労働者育成及び労働力確保の手段として利用されており、以下のようなメリットがあります。

それぞれのメリット


 (1)制度上のメリット
    ① 国の政策に則った制度であり、適法の外国人の受入であること
    ② 現地合弁・協力会社等が無くとも受入可能
  
 (2)受入企業にとってのメリット
    ① 雇用契約に基づいた安定的な人材の育成確保
    ② 職場の活性化
    ③ 長期の工程において人員計画がたてやすいこと
    ④ 企業内の意識改革
    ⑤ 指導員のモチベーションの向上(教えたい・伝えたい)が図れること
    ⑥ 企業の国際化と海外進出の足掛かり、
      海外拠点設立時のコア人材が事前に確保できること
    
 (3)実習生にとってのメリット
    ① 日本の高い技術・技能の修得
    ② 日本の優れた労働慣行の修得
    ③ 日本で修得した技術や技能を活かし、現地で起業が可能
    ④ 日本で修得した技術・技能が日系企業等の就職に有利
    ⑤ 日本語の修得


建設業受入事例


 実習生を受け入れた企業の所感を2つ紹介させて頂きます。

 (1)某建設会社社長
   「土木建設の現場はそれぞれ離れた場所にあり、道路・護岸・シェルター等の
  工事内容も多岐に亘っている。その都度職長や先輩の指示を仰がせながら、
  現場での技術を身につける教育をしている。
   そういう意味では、弊社で技術の身につけた実習生達は土木建設の
  あらゆる場面を体験したオールマイティな技術者に育っているという自負がある。
  彼らが帰国してその技術を活かせれば母国の発展に大いに寄与すると思っている。」

        


 (2)某鉄筋施工会社社長
   「実習生へは安全への配慮から仕事の段取り、手順専門用語など文字通り
  手取り足取り教えている。また実習生達から『もっと教えて欲しい』と
  要望された時は、事務所に彼らを集め、黒板に絵を描くなどして指導して
  いる。実習生達への評価だが、まず素直なところが良い。また技術修得への
  熱意を感じる。『どうしても技術を覚えよう!』という気で勉強しているので
  日本人よりも修得が早い。近隣の知らない人にも明るく挨拶をするなど、
  真面目で礼儀正しいので地域の住民からも愛されている。」

        

技能実習生を受け入れるには


  (1)1の「技能実習制度とは」のところで前述しましたとおり、実習生を
    受け入れるためには2つの方法があります、ひとつが「企業単独型」で、
    もうひとつが「団体監理型」です。企業が実習生を受け入れる場合、
    主流は「団体監理型」になりますので、ここでは「団体管理型」に
    限定して説明させて頂きます。  
  
     団体監理型:「団体監理型」での受け入れは実習生の送り出し国間との
    煩雑で手間の多い手続きを「監理団体」との提携によって人材募集から
    入国に係る様々な手続きと入国後の様々な研修(日本語・安全衛生)を
    「監理団体」が行うことで、受入企業は実習そのものに集中できます。
    また、「監理団体」が海外の送出し機関と提携していることにより、海外に
    海外の子会社や合弁会社等の拠点を持たない企業でも受入れが可能です。

  
 
 (2)次に受入れに際して受入企業の具体的な検討事項を整理してみます。
    
    1)事前検討事項
      ① 送出国や機関の選定
        ・技能実習の主旨に則り、またどの様な内容の技能実習にしたいかを
         検討し、国民性・経済状況等を勘案して決定するとよいでしょう。
         
      ② 実習生の人数
        ・自社の受入可能人数と実習現場の規模等を勘案して
         人数を決定します。       
        ・受入可能な技能実習生の人数は、監理団体の
         種類によって決められています。    
        ・実習生の人数は配属ベースではなく、入国ベースで
         把握しておく必要があります。

     2)監理団体の選定

       ① 監理団体検索 
         ・監理団体は全国に複数登録されており厚生労働省が運営する
          「人材サービス総合サイト」にリストが登録・掲載されております。
            http://www.jinzai-sougou.go.jo/Index.aspx
          問題のある監理団体も検索可能ですので、見極めることが重要です。
          
       ② 選定上の注意点
         ・適正な受入体制・実績を有していること
         ・受入に係る企業の費用負担額
         ・監理団体のサポート内容等の確認

     3)面接・選考
       ① 面接方法は監理団体と相談の上、自社事情を勘案すると良いでしょう。
         ・企業担当者が現地へ出張し送出し機関と
          監理団体スタッフと共に面接実施
         ・面接のための現地出張には2泊3日ないし3泊4日必要
         ・監理団体(この場合送出し機関)に一任
                 
       ② 選考には特に決まった内容のものは無く、自社状況に合わせて
         選考・試験内容等を決めて良いでしょう
         ・必要な事前の教育を受けているか
          (建設の場合、特に基礎的な計算能力、読み書きの他、
          基礎的な建設用語の知識や安全についての知識)
         ・体力(基礎的な体力等)
         ・手先の器用さ等(建設作業への向き、不向きや、折鶴や
          果物の皮むきをやらせてみる企業様もあるようです)
     
     4)入国前調査
       監理団体に下記の点を確認しておくこと。
       ・実習生の個人情報(母国連絡先・家族構成等)緊急時に必要
       ・健康状況の確認(監理団体型の場合は現地で実施済)


  1)~4)までを把握の後、監理団体と実際の企業内受入体制等について
  相談しながら進めて行かれると良いでしょう。




 
 

プロフィール

公益財団法人 国際人材育成機構(略称/アイム・ジャパン)

1991年設立の公益財団法人。
日本最大規模の外国人実習生受け入れ団体
「人づくりを通じわが国の社会と産業の健全な発展に寄与し、
人づくりを通じ開発途上国の経済発展に寄与すること」を理念とし、
現地の民間からでは無く、現地政府選抜の実習生を受け入れており、
受入企業・実習生へのフォローアップ体制には定評がある。
2016年4月末までに受け入れた実習生の総数は4万4千人に上る。

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