これからどうなる?!外国人技能実習制度~建設業編~

第1回

外国人技能実習制度:その生立ちと成長

国際人材育成機構 2016年5月31日
 
 日本の建設業が途上国のインフラ整備等を受注するケースが増え、それに備えた職長などの人材育成の手段として、また東京オリンピック・パラリンピックの関連施設工事など建設需要が増大していく中で技能実習生が学び、活躍する場が増えており、とみ外国人技能実習制度が注目される状況になっています。

 そこで、手前味噌で恐縮ですが「外国人技能実習制度」の概要やメリットを建設業に焦点をあてて、受け入れまでの具体的な流れ、弊財団のような監理団体について、また、今後予定されている新法による改正内容ついて4回に渡り、皆様にわかりやすく説明できればと思っております。

外国人技能実習制度の創設の経緯

 1980年代後半からのバブル全盛期の頃、全産業的な人手不足が進み、途上国の強い供給力もあって、一時は約30万人を超す外国人不法就労者を生む状態となっていました。治安を含め大きな社会問題となり、今後、日本が外国人労働者とどのように向き合って行くのかが政策課題となった中で、政府は関係17省庁から成る検討の場、「外国人労働者問題関係省庁連絡会議」を立ち上げ、外国人労働者の移入を進めて欧州諸国の数々の問題も念頭におきつつ検討を行いました。

そこで、こうした外国人労働者の受入について、
(1)技能の移転と通して途上国の経済発展を担う人材の育成を基本としつつ
(2)実習を通して建設業や製造業の現場の一端を担い、中小企業を中心とした
日本の産業の発展にも寄与することを期待し、
 (3) 入国から帰国までを厳しく監理すること
を基本とした制度の構築をめざすこととなり、93年4月に創設されたのが、「外国人技能実習制度」です。

 この「外国人技能実習制度」はその後、途上国からも大きな評価を得つつ、我が国の産業の現場が外国人労働者と向き合うための基本的な仕組みとし定着し、発展してきました。

もう一度技能実習制度の概要をおさらい!

 開発途上国の外国人を日本で一定期間 (現行法では最長3年、新法成立後には新たな要件が付加されますが最長5年まで)に限り受け入れ、OJT (On the job Training)を通じて技能等を移転します。 

 受入れ方式は、企業単独型と団体監理型に大別されますが、主流は団体監理型です。団体管理型の場合、現地での事前講習(日本語・日本での生活・基礎的安全講習など)を受講し、入国後に配属前講習(日本語教育、技能実習生の法的保護に必要な講義など)を受講した後、実習実施機関(受入企業)に配属され、実習実施機関(受入企業)との雇用関係の下で、実践的な技能等の修得を図ります。技能修得の成果が一定水準以上に達していると認められれば、別途在留資格への変更許可を受けることにより、現制度では最長3年間の技能実習を行うことができます。

技能実習生受入れに係る2つのタイプ
① 企業単独型 ② 団体監理型
本邦の企業等(実習実施機関)が海外の現地法人、
合弁企業や取引先企業の従業員を受け入れて技能実習を実施
営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、
傘下の企業(実習実施機関)で技能実習を実施

 なお、政府は「日本再興戦略」(平成26年6月24日閣議決定)の中で、外国人技能実習制度の抜本的な見直しを行う方針を決定し、2015年3月に国会に新法律案が提出され、現在、国会で審議中です。新法における技能実習生制度のポイントについては後述いたします。

建設業における技能実習生受入はどうなっているの?

 前述のとおり、建設業においては少子・高齢化が進み、熟練労働者の引退が進む一方、長く公共事業が抑制されてきたこともあって、若年労働者の参入と育成が滞っていました。

 そのような中でも外国人技能実習生を受け入れている事業者からは、実習を通して現場の一端を担う実習生には、「日本人と違って真面目である。」との評価がなされ、途上国でのインフラ整備等を受注した場合の職長としての活躍を期待する向きも少なくありません。

 また、東北大震災からの復興を担う人材としても期待され、今後は東京オリンピックとパラリンピックに向けた建設需要が増加する中で、我が国の建設に技能と知識を学びつつ、これらの大事業を成功に導く貴重な人材としての期待が高まっています。

 現在、当機構でも新規で受入れる実習生の約6割が「とび」「鉄筋施工」「型枠
施工」「建築大工」「内装仕上げ施工」等の建設関連となっており増加傾向にあります。

続く

 
 

プロフィール

公益財団法人 国際人材育成機構(略称/アイム・ジャパン)

1991年設立の公益財団法人。
日本最大規模の外国人実習生受け入れ団体
「人づくりを通じわが国の社会と産業の健全な発展に寄与し、
人づくりを通じ開発途上国の経済発展に寄与すること」を理念とし、
現地の民間からでは無く、現地政府選抜の実習生を受け入れており、
受入企業・実習生へのフォローアップ体制には定評がある。
2016年4月末までに受け入れた実習生の総数は4万4千人に上る。

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