人手不足への対応策

第2回

外国人採用をする時に知っておいて欲しいこと

川上 明 2017年9月6日
 

労働力不足から、外国人社員を求める企業様が増え、実際に外国人労働者数は増加傾向にあります。私は、動画で外国人の自己PR動画を見てもらい、採用を検討してもらうサービスを提供していますので、営業の際には必ず、訪問先企業様の外国人の雇用人数を聞くようにしています。私の営業活動からの数字では、約70%の企業様に1名以上の外国籍社員がいるような印象です。(正確な数値ではなく、感覚的な数値ですが・・)

しかし、そうした企業様でも、更に積極的に外国人採用を進めていかれますか?という質問になりますと、まったくもって否定をされる企業様は、ほとんどありませんが、大々的に積極的!という企業様にも、なかなかお会い出来ないのも正直なところです。

では、なぜ既に外国人を採用しているにもかかわらず、積極的になれないのでしょうか?どんな問題があるのでしょうか? これから外国人採用を検討する企業様の参考になればと思い、いろいろな企業様からのお話を、私なりに分析してみました。

すると、次の3つのポイントが私の頭の中で共通項目としてつながりましたので、今回はそれをご紹介したいと思います。


原因1 コミュニケーションの問題

日本語が通じないという話は、あまり聞いたことがありません。一部の企業様を除けば、採用面接時に、日本語レベルをそれなりに確かめてから採用を決定されていますので、そもそも意思疎通ができないということは、どの企業様でもないです。実は、業務上のコミュニケーション(もっと言うと、細かいニュアンス)が伝わらないということが、お悩みであるようです。

このようなお話をされた企業様のご意見を総合的に(私なりに)判断しますと、どうやら、日本語コミュニケーション以外の【非言語コミュニケーション】に、日本人側がストレスを感じているような場合があるようです。日本人同士ですと(無意識に)、表情、身振り、姿勢など、顔や体の動きでメッセージを相手に伝えている場合もありますが、それが外国人にはまったく通じない。当たり前なのですが、この空気感が伝わらないことで、結果、言いにくいことを、外国人相手には言葉にしなくてはならないケース発生してしまい、それが、どうも、社内でやりにくい・・となっているようです。要するに、外国人には、いちいち言わないといけないと。

 

原因2 評価の問題

企業内の評価とは、どの企業でも絶対評価ではなく、相対評価だと思います。これは、日本も外国も同じです。しかし、どうも日本人社会では、あたかも絶対評価のような、フィードバックをしてしまうことが多いようです。簡単に言ってしまえば、『あなたは、これが出来た。あれは出来なかった。』という評価です。しかし、この結果、前回、できなかった“あれ”が、今回は出来るようなったから、その分、給与や賞与が上がるのかというと、当たり前ですが、必ずしもそうはなりません。だって相対評価ですから。同期間、誰かがもっと頑張っていたら、そちらに配分されるのは当然の結果です。

日本人同士だと、このあたりも暗黙の了解で、ちょっと疑問は湧いても、なんとなく納得してしまう、あるいは納得せずとも大声で文句は言わない、のですが、外国人は違うようです。

こうした問題に、上手に対応されているケースでは、社内の業務分担を明確にして、業務上の難易度なども説明した上で、はっきりと相対評価であることを伝えているところもありました。このあたりは社内の人事制度、評価制度にも影響しますので、一朝一夕の話ではないと思いますが、外国人活用には大きなポイントになってくるようです。


原因3 業務分担が曖昧な問題

助け合い、急な変化にも柔軟に対応できるといった、日本企業の実に良いところなのですが、これがさらに曖昧になってくると、問題が起こってしまうようです。これは先の原因2とも深い関係があるポイントです。

助け合いや柔軟な対応は、組織文化的な側面としては必要なことだと思いますが、これを重視するあまり、日々の業務分担まで曖昧にしてしまっていると、外国人は混乱してしまうようです。

外国人にとっては、誰がどんな仕事をしていて、それによって、どのような評価がされてのか?が分かれば、社内の誰かを目標に頑張れるけれど、そうでない場合、どう頑張って良いのかわからない、というストレスが発生してしまい、結果、ミスコミュニケーションが生まれてしまうというケースです。

日本人社会では、チームのためにという理屈も通用することはありますが、純粋にキャリアを伸ばしたい、良い意味で、自分が出来ることを増やしたいと思う外国人には、曖昧な業務範囲は、かえってやる気を失わせてしまい、結果、孤立してしまうということにもつながっているようです。

 

まとめ

そもそも、仕事への意識、コミュニティに対する意識が、日本人とは違うので、上記のような原因に、事前に対策をもって準備しておいた方が、結果的にはうまくいくようです。

これは、私個人的な考えですが、もしかしたら、日本人同士でも、世代間や地域間、あるいは労働環境の違いよって、同じような問題は生まれているのかもしれません。多様化する社会という言葉もありますが、本当の意味での“職場内でのダイバーシティ”を考えた際、もしかしたら、こうした外国人目線は、実は、日本人社会にとって変革のチャンスなのかもしれません。単に時短や在宅という制度面だけでの変更ではなく、このような価値観やメンタルな部分への対応があると、結果、変更した時短や在宅制度がうまく機するということなのかもしれません。

これを読んで、『そうだ、外国人を採用してみよう!』と思った方は、今すぐご連絡を!

(最後は営業でまとめてしまって、すみません。次回は、採用事例などもご紹介する予定です。お楽しみに。)

 
 

株式会社バク宙
取締役 川上 明


大学卒業後、大手広告会社に入社。主にスポーツマーケティングを担当し、2000年より2004年までは米国法人の駐在員も経験。その後、2008年より株式会社オプトにてインターネットマーケティングを経験し、2010年からはSNSマーケティングに特化したグループ会社の取締役に就任。その後、2011年よりBtoBマーケティングを専門とする企業に転職し、2016年上場を経験。2017年4月より現職。
採用面接はもちろん、外国人社員の採用、外国人部下を持つ経験も多数あり。

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