人手不足への対応策

第1回

人手不足対策を考える

川上 明 2017年8月22日
 
企業の人手不足感が一段と強まっている。厚生労働省が2017年7月28日発表した6月の有効求人倍率は5月から更に0.02ポイント上昇の1.51倍でした。この上昇は4カ月連続で、前月に引き続き1974年2月(1.53倍)以来43年4カ月ぶりの高水準となっています。

また、正社員の有効求人倍率も1.01倍となり、2004年11月の調査開始以来、初めて1倍を上回り、過去最高を記録となっています。つまり、パート社員だけではなく、正社員も不足してきています。人口減少を考えると、この採用難は今後も続きそうです。

この人手不足の状況で、日本経済は安泰なのでしょうか?非常に大まかに言ってしまえば、経済力は生産性と労働人口の掛け算によって生み出されていると言っても過言ではありません。しかし、残念ながら日本経済の生産性が著しく高まっていない中、人手不足だけが深刻な問題になってきているのが、現状ではないでしょうか?
こうした状況の中、実は外国人労働者も増加してきています。厚生労働省が2017年1月に発表した外国人雇用の届出状況によると、2016年10月末時点で、日本で働く外国人は108万3,769人となり、初めて100万人を超えました。前年同期比19.4%増加し、4年連続で過去最高を更新しています。こうしてみると、ものすごく増えているような印象も持ちますが、実は、それでも総労働人口に占める割合は約1.6%と、世界の先進国の中では、実はかなり低い水準となっています。

現在、中国、インドなどのアジア諸国の「新興国」が、世界経済における存在感を急速に拡大させてきていますが、 このような国々では、単に貿易収支を黒字拡大させるだけではなく、労働者の国際的移動も加速させてきています。中には、既に外国人労働者の比率が自国民労働者の10%を超えるような国も出現しています。更に優秀なIT技術者などの高度人材を確保するために、優れた技術や知識を持った外国人労働者の受け入れを促進するための様々な制度や枠組みを整えようとする国も現れてきています。

世界では、雇用の国境の壁は低くなってきています。グローバルに活動する日本企業でも外国人材= 「高度人材」の採用に乗り出さなくてはならない時代ではないでしょうか?人手不足というピンチを、逆に変化のチャンスととらえ、外国人材= 「高度人材」の採用と活用について考えてみたいと思います。

このコラムでは、外国人材採用の現状や問題点、そして採用後の活用事例などをご紹介していきたいと考えておりますが、1回目の今回は、外国人労働者の実態から整理していきたいと思います。
先に述べました、外国人労働者 約108万人の内訳をみていきましょう。概数ですので合計数が108万人とならないこと、予め了承下さい。

・身分に基づく在留資格 約42万人。前年同期比で12.6%増加。
・留学生アルバイト 約21万人。前年同期比で25.0%増加。
・技術・人文・国際(高度人材) 約20万人。前年同期比で20.1%増加。
・技能実習生 約21万人。前年同期比で25.4%増加。

となっています。伸び率で高いのは、留学生と技能実習生です。これは、誤解を恐れずに言えば、比較的簡単な作業を低賃金で対応してくれる外国人材のニーズが強いといえます。これは、急場の人手不足に対応するということでは、正しい選択かと思いますが、やはり国際社会での競争力を高めていくためには、技術・人文・国際(高度人材)の数がもっと上昇していくべきと、私は考えています。

当社では、日本語ができる外国人の動画を活用した人材紹介サービスを提供していますが、これをご案内したお客様から、よく言われるのは、

・日本語が出来ても、言葉のニュアンスが通じないのでは?
・文化が違うから職場に馴染めないのでは?
・個人のキャリアを優先してしまい、会社や仕事に対する責任感が低いのでは?

などとお話されますが、少なくても、私たちを通じて外国人をご採用いただいた企業様では、日本人とほぼ変わらない活動と成果を出してくれています。上記のような心配は無用だったという声もいただきます。

まずは、こういった先入観を取り除くことで、高度な知識と経験をもった優秀な外国人材が日本に来やすくなるのだろうと思っています。加えて、外国人が入ることによって、職場のルールがかえって整備され、結果、生産性が上がったという事例もあります。実は、弊社でも入社後フォローとして、このあたりのアドバイスも提供しています。
採用、活用には確かに、日本人とは異なるポイントもありそうです。このあたりの話の詳しい内容は、次回以降にご紹介いたしますので、是非、楽しみにしていて下さい。

 
 

株式会社バク宙
取締役 川上 明


大学卒業後、大手広告会社に入社。主にスポーツマーケティングを担当し、2000年より2004年までは米国法人の駐在員も経験。その後、2008年より株式会社オプトにてインターネットマーケティングを経験し、2010年からはSNSマーケティングに特化したグループ会社の取締役に就任。その後、2011年よりBtoBマーケティングを専門とする企業に転職し、2016年上場を経験。2017年4月より現職。
採用面接はもちろん、外国人社員の採用、外国人部下を持つ経験も多数あり。

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