「日本生活文化産業のブランド輸出による新たな成長」

第10回

成長への提言 「チャンスを創出し抜本的な経営革新の実行あるのみ」

 

迫り来る大変革への準備

まず始めに、小生のコラムを10回にも渡りご拝読いただけましたことに深く感謝申しあげます。中小企業の経営革新、ブランドビジネス強化、アーリーベンチャーへのハンズオン経営支援の事例や小生の経営経験に基づき、できる限り、本質的かつ現実的なコラムを執筆することを心がけました。イノベーションズアイの会員の皆様に、微力でもお役に立てていれば幸いです。

同時に、日本経済の「先送り」による経済停滞、巷で言う「失われた10年」は、今回の東日本大震災と原発事故の発生により、国、企業、そして、日本人一人一人も、将来の成長に備え、抜本的な革新を先送りできない環境となりました。もうモラトリアムに甘んじて、諸子百家な評論議論は無用です。ASEAN、東アジアを中心に、日本経済は、旧秩序がなし崩し的に崩壊し、カオス状態になり、想定外の変化の連続となるのは必須です。

今、中小企業が、やるべきことは、迫り来る大変革への準備をはじめるべきである。もう、先送りは、許されません。

新たなビジネスチャンスを生むには

2011年5月17日、日本生活文化産業に、吉報である。フジサンケイビジネスアイ掲載記事によると、日本産の食品輸出総額4,920億円の80%の輸入国への安全検査証明・産地証明を発行し、双方合意に達したとのこと。ネガティブにお考えになるかたは、「それでも風評被害が」とおっしゃる方がいるかもしれないが、起きた事実に対し、抜本的に、改善し、前に進むことが、新たなビジネスチャンスを生むと考えるべきである。しかも、震災前とは言え、年間で既に約5,000億円の海外輸出市場が存在しているのである。

また、弊社のハンズオン経営顧問先にも、訪日外国人、在日外国人が、お客様として戻って来ている。小生が、率直に、「なぜ!?日本に戻って来たのか?」伺うと、「日本が好きだから」と嬉しい返答が多かった。英国元首相のチャーチルは、「楽観主義者は、どんな状況下でもチャンスを見出すが、悲観主義者は、どんなチャンスも見出せない」と名言を残している。日本の中小企業や老略男女すべての個人が、上記のようなマインドなのではないでしょうか。もし、この状況が継続するのであれば、過去の最貧国の日本に戻るしか我々には選択肢は、ないのである。

しかし、今であれば、数多くのチャンスは必ず見出せます。食品に関して言えば、日本は国土が狭く、物流も高度に発達しています。その条件を活用すれば、日本食品の高度な安全・産地・生産衛生管理面などのトレーサビリティーシステムを実現することは容易であるはずです。逆に、この仕組みを徹底できれば、世界へ安全・安心を安定的に輸出できる先進国へ革新でき、新たなビジネスチャンスを生み出すことになる。過去、商社マン時代に、1990年代に、EU各国から、有機栽培食材、加工食品を輸入開発事業と国内ブランドマーケティングを事業責任者としてやっていましたが、EU各国の有機栽培の土壌からの産地管理、農薬を使用しない育成管理、食品加工管理、輸出に関わる安全トレーサビリティー管理の農工商の連携と一貫したシステムは、見事なものでした。それに比較したら、日本の農工商の連携、海外市場への経営努力やマーケティング努力は、皆無に等しい。つまり、過去の成長していた大規模な国内市場に依存することにより、国内市場に依存できない現在の環境変化に対応できていないのが現状です。

この失われた10年は、本質的な経営革新の先送りの10年でもあります。つまり、現時点のような日本経済の停滞や縮小は、政府や民間のシンクタンクなど各種機関は、非常に理解しており、世界の各機関も勧告提言していた。つまり、変化する将来と新たな成長戦略とビジネスチャンスは、明確になっている。結局は、この経済不況や日本経済の停滞は、人災であり、企業や個人が、現状に甘んじて、先送りしてきただけである。もう先送りはできない。

最後のメッセージ

小生は、コラムの最終回そして締めくくりとして、以下を、「日本生活文化産業のブランド輸出による新たな成長」のために以下、提言、行動したい。

  1. 次世代の日本生活文化産業を担う若者の起業支援
    ITの活用や日本の感性やクリエイティビティーを持つ若者への、今後のビジネスを担う起業家精神への積極的に支援し、起業家育成支援で、日本を元気にする。
  2. 農工商連携を統合的にハンズオン支援
    過去に観光分野で、上記連携を支援しましたが、個別企業の財務・マーケティング・人材の事情で、正直、うまく調整ができず、ダイナミクスを言っていないのが現実です。スケールとしても、道の駅を中心とした地産地消レベルのビジネスできわめて脆弱です。これでは、東京を中心とした首都圏市場も戦略的に攻勢できません。
    従って、小生としては、農工商で実現できる投資事業への資金調達や財務やマーケティング、貿易実務などの連携事務局として本質的な連携実現を、推進する母体として弊社を機能させたい。
  3. 個別企業の経営革新とブランド力強化
    イノベーションズアイ事務局の方々のご指導をいただきながら、イノベーションズアイから、世界に通用する、ブランド創出を息長く尽力する。
  4. 上記、企業と起業家との本質的なビジネスインキュベーション
    次世代を担う、ビジネスシーズは、比較的社内にあるのですが、組織の中で、政治や社内の常識に阻まれ日の目を見ないでお蔵入りするシーズは多くある。また、最近は、技術力や一定のビジネス基盤を持ちながらも、事業承継ができない中小企業が多くある。これらは、中国や新興国に買収され、日本の競争力低下促進を間接的に関わっている。そこで、上記のような案件に対しても、ビジネスシーズのカーブアウト(切り出し)育成や事業承継の優良部門を梃に、成長軌道にのせるなどにも尽力する。
  5. 本質的なビジネスアライアンス支援
    今後は、老若男女、国籍、クリエイティブな個性を持つ才能など大きな寛容性を持って、多様性のある人材や才能を集結し融合させたビジネスアライアンスを促進する。

以上を本コラムの締めくくりと小生のライフワークとしての弊社の使命として有言実行していきたい。

是非、共感共鳴できる方がいらっしゃれば、まずは、コンソーシアムのような緩い形からでも連携して、ムーブメントを起こしたいと思っています。イノベーションズアイの会員の皆様、何卒、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

最後に、小生のコラムをご指導いただきました、イノベーションズアイ事務局の皆様、フジサンケイビジネスアイの皆様、そして、読者の会員の皆様に、厚く御礼申し上げます。
「日本を元気にする」をキーワードに、大変微力ではございますが、日々努力をしてまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻いただけますようお願い申し上げます。

株式会社glow 代表取締役 植木宏

 
 

株式会社glow
代表取締役
植木 宏 / Hiroshi Ueki

1971年生まれ
慶応義塾大学大学院 経営管理研究科 修士課程(MBA)卒業
2009年、株式会社glow 設立 代表取締役就任
大学卒業後、総合商社にて農産物・食品の輸出入事業に従事後、大学院復学し、MBA取得後は、多様な業態へのモバイルインターネットによるネット事業開発やネットベンチャーの経営に従事。

  • 財団法人沖縄県産業振興公社「平成17年度沖縄産学官共同研究推進事業」事業化推進リーダー
  • 2005年度金融特区新ビジネス創出支援事業・電子マネー研究会 研究員
  • 国立大学法人 琉球大学工学部 情報工学科 産業社会学原論II担当 非常勤講師

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