自走する組織作りのためのコアコンセプト・マネジメント

第4回

表と裏の両面を知ることが強みを活かす秘訣

岩井 徹朗 2018年4月16日
 

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。


「光か、闇か・・・」

昨年公開された「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のポスターに書かれていたキャッチコピーです。


スター・ウォーズの世界では、フォースが正義の心で使われる場合を「ライトサイド」、邪悪な心で使われる場合を「ダークサイド」と呼んでいます。映画の場合、話を面白く、かつ分かりやすくするために、正義か悪か、光か闇かというように二分することで、ストーリーを展開していきます。


このため、「深層価値観であるコアコンセプトには表と裏があります」とお伝えすると、たいていの場合、「表は良くて、裏がダメ」というように捉えられます。けれども、光あるところに影があるように、表と裏はまさに表裏一体です。どちらが良くて、どちらが悪いということではありません。要は使いようです。


この点、先のスター・ウォーズの例で言えば、不思議な力であるフォース自体は良いものでも、悪いものでもなく、一般に言われる正義のためにフォースを使えば、ライトサイドと呼ばれ、悪のためにフォースを使うと、ダークサイドと呼ばれるのと似ています。


我々はコアコンセプトの「表」を自分が力を発揮できる状態、コアコンセプトの「裏」を自分の力が思うように発揮できない状態と定義しています。


私の場合で言えば、「自然体」でいる時は力を発揮しており、「強要」の状況になると、なんとなくモヤモヤする気持ちが発生します。つまり、あまり縛りがなくて、自分のやりたい方法で実行できるなら、どんどん集中できて、パフォーマンスが上がります。一方で、「この仕事はこのやり方でやれ!」「期限は明日まで!!」というように自分の意思に関わりなく強要されると、本来の力を十二分に発揮できなくなるのです。


この時のポイントは「裏」を知っていること。


表の状態でいる時は仮に意識していなくても、能力を発揮できているので、大きな問題は発生しません。しかし、裏の状態にいる時、その原因が分かっていないと、「なんだかイライラする」「もう一つやる気がでない」というように、悩む時間が発生します。また、たとえその悩みを自覚していなくても、自分の本質に反することをやっているので、知らず知らずのうちにストレスや疲労が溜まってしまうのです。


特に仕事の場合、一定の経験を積めば、最初苦手だったことでも、だんだんとできるようになります。そして、そのできる仕事が、自分の得意な仕事だと思うようになります。これは価値判断の基準に関わらず起きることです。


そして、得意だと思っている仕事が自分のコアコンセプトの表に沿ったものであれば、すごくハッピーです。けれども、得意な仕事と思っていたことが、実は自分のコアコンセプトの裏にあたる場合。途中までは上手くいっていたとしても、どこかの時点で壁にぶち当たります。その時、壁を越えようといろいろもがいても、本来的に自分の本質的なものに合わないのであれば、もがけばもがくほど泥沼に入り込んでしまう恐れがあるのです。


二つに分けて、「Aは良くて、Bはダメ」というふうに一刀両断するのは分かりやすいです。けれども、ますます複雑になる世の中にあって、単純に割り切れるものばかりではありません。


会社経営で言えば、強要が嫌だと言って、自分が強要だと感じる仕事を一切やらないのが理想です。けれども、会社を続けていくために、時には強要に値する仕事をやらなければダメという状況が生まれます。


その時、「なんだか気乗りしないなぁ」と思ってやるのと、「これは自分の裏に当たるから、嫌なのは当たり前」「でも、単価も高いし、受注すれば資金繰りも改善するので、3ヵ月だけ頑張ろう」と自覚しながらやるのとでは、結果は大きく異なります。


人は原因が分かれば、対策を打てます。問題が長引くのは、原因が分からない時です。自分の価値判断の基準の表と裏が分かっていれば、いずれかに必ず当てはまるので、問題の解決策を導き出せるようになります。


上か下か。右か左か。正義か悪か。二等分する考え方はある意味分かりやすいです。けれども、寄って立つべきは、その上の概念。一つの軸で立つのではなく、二つの軸を臨機応変に操ることで、はじめて安定が生まれます


 
 

ヒーズ株式会社
代表取締役 岩井徹朗


都市銀行に14年半在籍し、創業期のインターネット専業銀行とベンチャー企業の勤務を経て、2006年7月に独立。


「経営者が自然体で力を発揮するためのレールを敷く」ことをミッションとして、オーナー企業を中心に、業務改善、社内体制の構築や新規事業の創出に日々取り組んでいる。


最近はマーケティングのコーチである取締役と一緒に、「社長専任」の社外チームを組成。社長の本質的な価値観に沿った事業展開をマーケティングからマネジメントまでカバーし、洋々たる未来を一人ひとりが切り開いていく世界を実現するべく活動している。

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