知恵の経営

第81回

「人を大切に」が日本を創生

アタックスグループ 2016年8月17日
 
今回は、27、28日に東京都世田谷区にある駒澤大学深沢キャンパスで開催される、「人を大切にする経営学会」の第3回全国大会の内容の一部を紹介する。

 昨年9月12日、13日に開催した第2回全国大会は「『人を大切にする経営』は企業業績を高めるか」を統一テーマに議論が行われた。

 今回の統一テーマは「『人を大切にする経営』が日本を創生する」とした。それは、イギリスの欧州連合(EU)離脱や、世界各地で頻発している無差別テロ問題など、世界経済はもとより、わが国経済の先行きもなお一層、不確実・不安定化する中、どんなに時代が厳しくとも、わが国の企業一社一社が、「人を大切にする経営」を愚直一途に実践することが、新しい日本ばかりか、世界の創生・世界の人々の幸せの実現の要と考えるからだ。

 1日目の特別記念講演では、帝国ホテルの代表取締役会長である小林哲也氏が講演する。もしかしたら、人を大切にする経営と帝国ホテルが結びつかない読者もいるかもしれない。しかし5年前の2011年3月11日に発生した東日本大震災の際の帝国ホテルの対応を知れば、納得してもらえるはずだ。

 震災当日は筆者も東京にいたが、地震の影響であらゆる交通機関が完全にマヒ状態となり、街は数多くの帰宅難民であふれ返った。タクシー乗り場は長蛇の列、運よく乗れても道路は大渋滞という状況で、大多数の人がトイレや空腹、寒さを我慢しながら歩き続けるしかなかった。
 そんな中で、歩き疲れた限界の帰宅難民が帝国ホテルに駆け込んだ。その数は2000人を超えていたという。宿泊者も当然いる中で、その帰宅難民者の人々のために、帝国ホテルではロビーや宴会場を開放したばかりか、毛布やペットボトルの水、保存食などを無償で提供したのだ。ホテルということもあり、毛布は予備があったかもしれないが、水や保存食などはどこから集めたのだろうか。またなぜ無償でできたのであろうか。混乱の中、なぜ決断できたのだろうか。

 いまだに「伝説のサービス」「さすが帝国ホテル」と語り継がれる、その対応を取った理由を当事者から聞くことができるまたとない機会となるだろう。

 現在、学会ホームページで全国大会への参加申し込みを受け付けている。

 ぜひ、多くの読者に自分の目と耳で、伝説として語り継がれている帝国ホテルのサービスを感じ取ってもらいたい。
<執筆>
アタックス研究員・坂本洋介
2016年8月17日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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