知恵の経営

第77回

「愛」と「絆」創る結婚式提案

アタックスグループ 2016年7月20日
 
仙台市内とその周辺地域、石巻市で葬祭会館20カ所と仏壇ギャラリー4店舗のほか、ケータリングサービス、コンシェルジュサービス、予約制ハイヤー事業を運営・展開する清月記(仙台市宮城野区)が5月1日、新事業としてブライダル事業を開始した。

 「冠婚葬祭」というように婚(結婚式)と葬(葬儀)は、人生に関する催事の代表だが、なぜ新規事業を開始したのか。

 それは結婚式事情にある。厚生労働省の人口動態統計によれば、2015年の婚姻件数は63万5096組と前年から8653組減った。1972年の109万9984組をピークに、75年以降、増減を繰り返しながら基本的には右肩下がりの基調が続き、特に13年から3年間は連続で減少している。

 原因は少子高齢化や晩婚化のほか、披露宴に多額の費用をかけたくないという経済状況や、妊娠をきっかけに結婚する「授かり婚」など婚姻届の提出だけで済ませる「ナシ婚」が増えているためと考えられる。

 こうした状況の中で同社は、葬儀を核とした「生命(いのち)の物語応援会社」「総合サービス業」として、人々の人生に寄り添う企業という長期構想を掲げている。人生において結婚式は重要な位置づけであり、結婚式離れをなくしていきたい、結婚式の大切さを再認識してほしいという願いから事業を開始した。

 立ち上げた事業は「リア・ファミーユ」と名付けた。フランス語の「リアン(つながり・絆)」と「フィーユ(葉)」を合わせた造語だ。さらにフィーユを「愛」に見立てて、何層にも重なる「ミルフィーユ」のようにたくさんの「愛」を重ね、人と人との強い絆を創ってほしいという思いも込めている。
 この事業の特徴は、特に決まった式場を持つことなく、式を挙げる2人のコンセプトに合わせて、思い出の場所や自宅などで式を挙げられること。また、会場へのドレスなどの持ち込みに追加料金がかかることもなく、自由なアイデアを取り込めるなど、ゼロから立ち上げて自分たちの結婚式ができる点である。

 同社では、結婚式の提案をするスタッフを「ウェディングデザイナー」と呼ぶ。一般的にはウエディングプランナーやウエディングプロデューサーと呼ばれているが、顧客に合わせて決まったプランや定番の進行に当てはめることなく、たった一つのデザインを描くように結婚式を創っていくため“デザイナー”と呼ぶのである。

 同社は「ノーと言わない究極のサービス提供」を理念に、常に顧客主導で葬儀を考えるようにしてきた。その思いは、この新事業にも間違いなく受け継がれている。
<執筆>
アタックス研究員・坂本洋介
2016年7月20日 フジサンケイビジネスアイ掲載





 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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